アメリカは韓国に対して、中国の通信機器大手、華為技術（ファーウェイ）の製品を使用しないよう求めているもようで、韓国が米中貿易紛争の板挟みになるのではないかと懸念する声が出ています。
アメリカはファーウェイの製品がスパイ行為やサイバー攻撃に使用される可能性があるとして、同盟国にファーウェイの製品を使用しないよう呼びかけています。
外交消息筋が23日に明らかにしたところによりますと、アメリカ政府はさまざまなルートを通じて、ファーウェイ製品の使用は深刻な問題をもたらす恐れがあるとするメッセージを、韓国外交部にたびたび送ってきているということです。
表面的な理由はセキュリティー上の問題ですが、その裏には、アメリカが次世代移動体通信技術をリードするファーウェイを、けん制する狙いがあるというのが大方の見方です。
韓国では、通信大手のLGユープラスが5G通信網の構築にファーウェイの機器を使用しているなど、ファーウェイと取り引きする企業は少なくないとされています。
しかし、下手にアメリカの求めに応じれば中国から経済報復を受ける恐れもあり、韓国政府は、今のところ慎重な姿勢を示しています。
韓国は、韓国駐留アメリカ軍の高高度迎撃ミサイルシステム（THAAD）配備問題で米中の板挟みとなり、大きな痛手を被った経験があることから、同じような事態に発展することを懸念する声が上がっています。