アメリカのポンペイオ国務長官は、米朝首脳会談開催の条件として非核化交渉の「実質的な進展」を掲げました。
ポンペイオ長官は現地時間の15日、ニュースサイト「ザ・ヒル」のインタビューで、3回目の米朝首脳会談が開催される可能性について聞かれたのに対して、「実質的な進展が得られる十分な可能性がある場合のみ開催できる」と述べました。
これまでアメリカ側は、米朝首脳会談をめぐって可能性は開かれているとの姿勢を示していたため、11月の大統領選挙の前に3回目の米朝首脳会談が開催されるのではないかと予想されていましたが、今回のポンペイオ長官の発言は、成果の期待できない会談は開かないとのメッセージが込められているものとみられます。
アメリカで北韓問題を担当する国務省のビーガン副長官は、今月、韓国を訪問した際に北韓に対して、自身のカウンターパート(交渉相手)を指名するよう求めました。
北韓の意向さえあれば対話を再開する準備ができているという意味と同時に、大統領選挙を見守りつつ様子をうかがうべきではないとのメッセージともとれます。
今回のポンペイオ長官の発言をめぐって、「検証可能な非核化」が条件だというアメリカ政府の基本的な立場に変わりはないものの、大統領選挙を控えるトランプ政権が対北韓外交を成果として捉えていることや、より進展した結果を残したいと考えていることは明らかであるとする見方が出ています。