北韓が軍事境界線付近の海上で韓国海洋水産部に所属する公務員を射殺した事件について、政府は北韓に共同調査を正式に要請することになりました。 
大統領府青瓦台は27日午後、1時間半にわたって安全保障関係閣僚会議を開き、北韓に対して真相解明のための共同調査を正式に要請することを決めました。
会議には、文在寅（ムン・ジェイン）大統領をはじめ、国防部長官、国家情報院長、大統領秘書室長らが出席しました。
韓国と北韓がそれぞれ把握している事件の経緯が異なるため、会議では共同調査を行うことを求め、そのための情報交換や協議にむけて、現在途絶えている軍事通信線の復旧と通信の再開も要請しました。
政府は、射殺された公務員の遺体の収拾や遺品の回収が何より重要だとし、南北がそれぞれの海域で捜索に全力を尽くし、必要な情報を交換するよう求めました。
中国政府に対しても、軍事境界線付近で操業中の中国漁船が遺体の収集や遺品の回収に協力するよう要請しました。
会議ではまた、北韓の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長がこの事件について異例の謝罪を行ったことについては、前向きに評価しました。
一方、この事件と関連して、文在寅大統領は青瓦台で28 日に 行われた首席補佐官会議で「政府として非常に申し訳ない。遺族の方々に深い哀悼の言葉を伝えたい」としたうえで「政府としての役割をきちんと果たしていく」と述べました。
また、「南北間の対立の歴史を終わらせなければならない」と述べ、南北対話の必要性を強調しました。