北韓では、朝鮮労働党中央委員会の総会が8日、招集されたことが、北韓メディアの報道でわかりました。 
朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が9日、報じたところによりますと、国の重要政策を決める党中央委員会拡大総会が8日、招集され、金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長が司会を務めたということです。
会議には政治局常務委員の金徳訓（キム・ドクフン）氏、趙甬元（チョ・ヨンウォン）氏、崔竜海（チェ・リョンヘ）氏らが出席したと伝えられました。
通常は、崔竜海氏、趙甬元氏、金徳訓氏の順に名前が挙げられますが、経済を総括する金徳訓内閣総理が常務委員のうち最初に名前が挙げられたのは異例と言えます。
これは、今回の総会が経済問題に集中する可能性が高いことを示しているとみられています。
北韓はことし、干ばつが深刻化し、農作物生産量に大きな影響が出たとされていて、そのうえ新型コロナウイルスの感染拡大まで重なり、経済目標の達成が難しくなっています。
新型コロナウイルスの新たな感染者数は8日に5万人台となったと明らかにしていますが、それにもかかわらず、大規模な会議を開催したのは、感染対策への自信を誇示する狙いがあるとみられます。
尹錫悦（ユン・ソンニョル）政権発足以降、初めて開かれる今回の会議で、金委員長が韓国や国際社会に向けて核実験に関するメッセージを発表するかどうかにも関心が寄せられています。
一方、統一部は、北韓が党中央委員会の拡大総会を招集したことについて、「北韓が会議を通じて発表する各分野の事業の中間評価や今後の対外政策の方向を注意深く見守る」としています。