国際ジャーナリストNGO=非政府組織の「国境なき記者団」が5日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領によるMBCテレビへの対応を差別的だとして懸念を示しました。
MBCは、尹大統領がことし9月末にアメリカを訪問した際の暴言疑惑を最初に報じ、これに対して大統領室はMBCが偏向報道を繰り返しているとして、尹大統領の東南アジア歴訪の際にMBC記者の大統領専用機への同乗を認めませんでした。
フランスのパリに本部を置く国境なき記者団は5日、ホームページに声明を掲載し、MBCへの差別的措置の撤回や尹大統領の出勤時のぶら下がり取材の再開を求めました。
大統領のぶら下がり取材は、MBCの記者と大統領室の秘書官が先月18日の取材時に舌戦を繰り広げたのをきっかけに中断されています。
国境なき記者団はまた、尹大統領のこうした措置は、情報に関する大衆の権利を侵害する恐れがあり、ジャーナリストを苦しめることにつながると指摘しました。
国境なき記者団の東アジア局長は、「一国の首脳はどんな場合においても、首脳の活動を、どのメディアが、どのように報道するか、またどのような質問が適切かを決めてはならない」と指摘しました。