20日午前6時28分ごろ、ソウル市江南(カンナム)区の九龍(クリョン)マウルと呼ばれるスラム街で火災が発生しました。
消防隊員や警察、江南区庁の職員合わせて900人あまりと、消防車両など68台、消防ヘリコプター10機が出動して、火は5時間ほどで消し止められました。
消防当局によりますと、住宅およそ60棟、およそ2700平方メートルが焼失したということです。
近隣住民らおよそ500人が避難しましたが、これまでに死傷者の報告は入っていません。
消防当局は、引き続き出火の原因などを調べていますが、ビニールやベニヤ板など燃えやすい資材で建てられたバラックが密集しているため、炎が一気に燃え広がったものとみています。
九龍マウルは、1980年代後半、オリンピックに向けた都心部の開発によって居場所を失った人たちが集まって暮らすようになった村で、およそ670世帯が暮らしています。
ソウルで唯一残ったスラム街で、ソウル市が再開発を計画していますが、土地や建物の所有権などの補償をめぐる問題が解決されず、計画は進んでいません。