台湾問題めぐり韓中関係が悪化しているなか、最近、韓流スターの中国メディアへの出演が突如キャンセルとなり、韓流文化の中国への流入を制限する、いわゆる「限韓令」が復活する兆しではないかという見方が出ています。
複数の中国メディアは今月10日、韓国の歌手で俳優のチョン・ヨンファさんが中国の動画配信チャンネルのオーディション番組にゲスト出演すると報じていました。
ところがその後、北京市の中央ラジオテレビは、チョン・ヨンファさんが番組に出演するという情報は事実ではなく、今後もゲストとして呼ぶことはないと、突如、明らかにしました。
中国のネットメディアなどは23日、中国のネットユーザーらがチョン・ヨンファさんの番組出演について中国当局に通報したことで、出演がキャンセルとなったと報じていて、一部のメディアでは「限韓令」にも言及しました。
中国政府は、高高度迎撃ミサイルシステム「サード」の韓国配備に対する報復措置として、2016年からK-POPや韓国ドラマ、映画など韓流文化の流入を制限する「限韓令」を実施してきましたが、おととし12月に、ナ・ムニさんが主演を務めた韓国映画「オ!ムニ」が6年ぶりに公開され、その後、ドラマやゲームなどの制限も順次、解除されました。
K-POPは、ことし1月から4月までの中国向けの輸出額が1898万1000ドルと、前の年の同じ時期に比べてほぼ3倍に増加していて、「限韓令」の緩和に対する期待が高まっていました。