国際収支のなかの貿易･サービス収支の一つ、旅行収支のことし上半期の赤字幅が、2018年以降で最も大きいことがわかりました。

韓国観光公社のまとめによりますと、ことし上半期に韓国を訪れた外国人旅行者が韓国で消費した金額から、海外に出かけた韓国人旅行者が海外で消費した金額を差し引いた旅行収支は、46億5000万ドルの赤字となりました。

これは、2018年に70億6000万ドルの赤字となった以降で、もっとも大きい赤字です。

韓国の旅行収支は、2001年から去年まで22年連続で赤字が続いています。

赤字幅は、2017年以降、新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認された2020年まで縮小し、2021年と2022年はやや拡大しましたが、新型コロナにともなう行動制限がなくなった2023年からは、大幅に拡大しています。

これは、コロナ禍の行動制限がなくなってから、海外に出かける韓国人が大幅に増えているのに対し、韓国を訪れる外国人の回復は遅れているためです。

なかでも、コロナ禍前は韓国を訪れる観光客の中で最も多かった中国からの観光客数の回復が遅れていることが大きな要因となっています。

こうしたなか、このほど中国が、新型コロナの流行が始まって以降禁じていた自国民の海外への団体旅行を許可し、韓国への団体旅行も再開されることになり、旅行収支の赤字の縮小につながるか注目されます。