北韓の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の長男の正男(ジョンナム、39)氏が、日本のテレビ朝日のインタビューに応じ、3代にわたる権力世襲に反対する考えを明らかにしました。
テレビ朝日が12日、伝えたところによりますと、現在、マカオで優雅に暮らしているとされる正男氏は、中国の北京で9日、テレビ朝日のインタビューに、韓国語で応じ、三男の正恩氏が後継者に決まったことについて、「個人的には3代にわたる権力の世襲に反対だ」と述べました。
そのうえで、正男氏は、「3代にわたる権力世襲には、内部的な要因があるからであり、従うしかない」と付け加えました。さらに、「正恩が後継者に決まったのは、父親の決断であり、正恩が北韓住民の豊かな暮らしのため最善を尽くすことを期待する」と、述べました。
一方で、正恩氏が協力を要請してきた場合を想定した質問については、「海外でいつでも弟を手助けする用意がある」と応じました。
しかし正男氏は、金正日国防委員長の健康に関する質問には回答を避けました。正男氏は、インタビューの間、「北朝鮮」または、「共和国」という単語を使わずに、「北韓」という表現を使い、当分、北に戻る意思のないことをほのめかしました。