北韓はこのほど北韓を訪れたアメリカの核専門家に対し、寧辺(ヨンビョン)にある軽水炉用のウラン濃縮施設を公開したうえで、2000基の遠心分離機を稼動させていると説明したということです。
これは北韓を訪問したアメリカのスタンフォード大学国際安保協力センターのヘッカー所長が自分のインターネットのホームページで明らかにしたものです。
それによりますと、ヘッカー所長は北韓滞在中、数日前に完成したばかりだというウラン濃縮の施設に案内されて、1000基以上の遠心分離機を目撃したほか、北韓はオランダと日本の遠心分離機をモデルに独自で施設を建設し、現在、2000基の遠心分離機が稼動していると説明したということです。
ヘッカー所長は2000基の遠心分離機が実際に稼動しているかどうかは確認できなかったが、北韓の技術責任者の説明通りなら、北韓は年間2トンの低濃縮ウランを製造でき、施設を転換すれば最大40キロの高濃縮ウランを製造できるという見方を示しました。
高濃縮ウラン40キロは核兵器2個を製造できる分量で、ウラン濃縮施設は原子炉を伴うプルトニウム再処理施設に比べて小規模で済み、実態を突き止めることが難しく、アメリカ政府の関係者は「北韓には公開した施設のほかに高濃縮ウランを製造できる施設が存在する可能性も排除できない」と懸念を示しました。