アメリカ政府が、中国による脱北者の強制送還について憂慮の念を示したのに続いて、アメリカの連邦議会も5日、公聴会を開き、関係者らの証言を聞くとともに対策について議論しました。
公聴会には、ワシントンの中国大使館前で抗議デモを行った脱北者らが多数出席し、強制送還された脱北者の人権蹂躙の実態を詳しく説明しました。
一方、アメリカ下院外交委員会の傘下にある人権小委員会の委員長で、公聴会を主催したスミス委員長は、「中国の公安当局に身柄を拘束され北韓に強制送還されることが見込まれる脱北者80人あまりが、北韓で死刑になる危険性にさらされている」として、これを承知のうえで、強制送還を続ける中国政府を強く批判しました。
そのうえで、スミス委員長は、「アメリカは、北韓に供給する予定の24万トンの栄養補助食品の支援を、脱北者問題と絡ませることが必要だ」と強調するとともに、国連やアメリカなど国際社会が中国に対して、国際条約を遵守し、脱北者の強制送還を直ちに中止するよう強く要請するよう訴えました。