北韓が地球観測衛星としている「光明星(クァンミョンソン)3号」の打ち上げ発表で、国際社会から批判を受けているなか、6か国協議の北韓代表を務めるリ・ヨンホ外務次官は、光明星3号の打ち上げは、先月の米朝協議での合意とは別問題との見解を示しました。
リ・ヨンホ外務次官は19日、北京で6か国協議の議長を務める中国の武大偉特別代表と会談した後、記者らに対し、「光明星3号の打ち上げは、北韓が食糧支援を受ける代わりに、核査察などを受け入れるアメリカとの合意とは別問題だ。我々は米朝合意を履行する方針で、このためにIAEA=国際原子力機関の監視員をすでに北韓に招請している」と述べました。
また、リ・ヨンホ外務次官は、「衛星打ち上げは、あくまでも平和的な宇宙開発の権利に属するものだ。不当に北韓の自主権を侵害するなら、仕方なく、我々は対応するしかない」と強調しました。
一方、中国外務省の報道官は19日、「北韓の衛星打ち上げ計画を、憂慮の念を持って注意深く見守っているということを北韓に伝えた。関連国は、冷静を保ち、情勢を複雑にする行動を控えるべきだ」と述べました。
中国外務省は、これに先立って16日に、北京駐在の北韓大使を呼び、中国政府の深い懸念を伝えており、中国の国営メディアも打ち上げ計画の撤回を求めるなど、北韓に対する圧力を強めています。
こうしたなか、北韓は、ITU=国際電気通信連合に対し、16日、地球観測衛星、「光明星3号」の稼動期間は2年間で、来月12日から16日までの間に打ち上げる予定だと通知していたことがわかったと、共同通信が19日報じました。
また韓国政府は20日、北韓が人工衛星の打ち上げを強行した場合、この問題を国連安全保障理事会に回付する方針を明らかにしました。
李明博(イ・ミョンバク)大統領は、今度の核セキュリティサミットの際に国連安全保障理事会の常任理事国のアメリカ、中国、ロシアの首脳との個別の首脳会談で、この問題を取り上げるものとみられます。