大型台風15号によって韓国では韓国人10人を含め合わせて15人が死亡、10人が行方不明になり、強風による被害が相次ぎました。
中央災害安全対策本部が台風の被害をまとめたところによりますと、済州島付近の海上では、中国船籍の漁船2隻が転覆して中国人漁船員5人が死亡、10人が行方不明になりました。
また強風によってコンテナーが飛ばされたり、塀が崩壊したりして下敷きになって10人が死亡し、2人がけがをしました。
さらに風が強かった28日には仁川(インチョン)国際空港と本土を結ぶ橋のうち仁川大橋が一時通行止めになったのをはじめ、本土と島々を結ぶ96の航路の運航が中止されました。
また空の便は、28日だけで国際線154便、国内線299の合わせて453便が欠航となりました。
一方、韓国電力公社によりますと、台風15号の影響で27日から29日午前6時までの間に全国で683件の停電が発生し、5分以上停電したのは、およそ193万1700世帯に上り、自然災害による停電では最も大きな規模となりました。
このうち98%はすでに復旧し、残り3万世帯もまもなく電力の供給が再開されるということです。
保険業界によりますと、強風で落下した看板や崩壊した塀や施設物などによって、車およそ3000台が破損し、大雨による車の浸水は1000台に上るとみられるとしています。
さらに韓米合同軍事演習の乙支(ウルチ)フリーダムガーディアンは27日から中止され、29日に再開されました。
韓国で大きな被害をもたらした台風15号は28日午後、北韓に上陸し、29日午前消滅しましたが、その後を追う形で台風14号が接近しており、30日から再び台風の影響を受けるものとみられます。