15年前にソウルで起きた殺人事件で、アメリカの裁判所は現地時間の22日、韓国からアメリカに帰国したあと、殺人の実行犯として逮捕された容疑者について、韓国に送還するとの判決を言い渡しました。
この事件は、1997年4月、ソウル市龍山(ヨンサン)区のハンバーガー店のトイレで、大学生の韓国人男性が刃物で殺害されたもので、10年後には韓国で映画化されて注目を集めていました。
この事件では、ハンバーガー店にいた当時18歳で、現在33歳のアメリカ人、アーサーパタソン容疑者が証拠隠めつ罪などで刑に服したあとアメリカに帰国していましたが、3年前に韓国の検察が殺人の実行犯としてパタソン容疑者の身柄を韓米犯罪人引渡し条約に基づいて引き渡すようアメリカに求めていたものです。
パタソン容疑者は昨年になって、ロサンゼルスで逮捕され、その身柄の引渡しをめぐってアメリカの裁判所で審理が行われ、韓国に送還するとの判決が言い渡されたものです。
これに対して、韓国の司法当局は、パタソン容疑者がアメリカの裁判所に不服を申し立てる可能性があり、実際に送還されるまでに少なくとも6か月以上かかるとみています。