アメリカを訪れている朴槿恵(パク・クネ)大統領は、韓国時間の8日夜、アメリカ議会の上下両院合同会議で英語で演説し、北東アジアの平和協力体制の構築など韓米同盟の発展に向けた3つのビジョンについて提示しました。
韓米首脳会談を終えた朴槿恵大統領は、8日夜、ワシントンにあるアメリカ議会の上下両院合同会議で、およそ30分間にわたって英語による演説を行い、まず、’漢江の奇跡’を成し遂げられるよう支援してくれたアメリカ国民に心からの感謝の意を伝えました。
そして、その土台となった韓米同盟の60年を踏まえたうえで、新たな発展に向けた3つのビジョンとして、
▼北韓との信頼関係を構築し、南北交流を拡大する「韓半島信頼プロセス」によって、韓半島での統一基盤を構築すること、
▼北東アジアの国々や北韓にも門戸を開放し、環境問題など非政治的な分野で信頼関係を築く北東アジア平和協力構想を実現すること、
▼テロや貧困対策などグローバルな問題に緊密に協力し、国際社会の平和と繁栄に寄与することの3項目を提示し、理解と支持を訴えました。
また朴大統領は、南北対峙の象徴のDMZ=非武装地帯について、「60年前に軍事衝突を防ぐために設けられた‘非武装地帯’がいまや世界でもっとも重武装された地域になった」と指摘し、「韓半島信頼プロセスのもとに、非武装地帯の中に“世界平和公園”を作り上げ、韓国人だけではなく、世界の人々の平和の空間にしたい」として、アメリカ側に協力を求めました。
さらに、朴大統領は、2016年3月まで暫定的に2年間延長することで先月合意した韓米原子力協定についてもふれ、互恵的に改定されることに強い期待感を示しました。
朴大統領が演説している間、アメリカ上下院議員からは合わせて41回の拍手が起こり、そのうち6回は起立拍手でした。
実務的な目的でアメリカを訪れた朴大統領がアメリカ議会で演説を行ったのは、異例の扱いとして関心が寄せられています。