長野県の中央アルプスで29日、登山に来ていた韓国人登山者20人のグループの一部と連絡が取れなくなり、30日朝になって、登山者とみられる男性3人に続いて、行方不明だったもう一人も30日午後、渓谷から転落して死亡しているのがみつかり、韓国のメディアは速報として伝えました。
遭難したのは、韓国の旅行会社を通じてツアー登山に参加した20人のグループで、一行は中央アルプス・宝剣岳を目指して28日に山に入りましたが、このうち9人が檜尾岳付近で29日から連絡が取れなくなっていたものです。
このうち、4人がこれまでに無事発見され、30日早朝から始まった捜索で、残り5人のうち、これまでに遭難者とみられる男性3人がいずれも心肺停止状態で見つかり、その後死亡が確認され、ヘリコプターで運ばれて病院に収容されました。
また、連絡が取れなかった2人のうち、1人は30日午前11時頃、周辺の山小屋に一人でたどりつきましたが、もう一人の男性は30日午後になって、渓谷に転落して死亡しているのが捜索隊によって発見されました。
警察では、この男性は、周囲の状況などから、夜間登山道を歩いているうちに誤って渓谷に転落したのではないかとみています。
これによって、今回の遭難事故では20人のグループのうち、16人が無事、自力で山小屋にたどりついたものの、4人が死亡するという痛ましい結果となり、長野県警では事故当時の気象状況や遭難にいたった経緯などについて、生存者から事情を聴いて詳しく調べています。
新潟にある韓国総領事館によりますと、一行は5泊6日の日程で日本に登山に来ていたもので、日本人ガイドはおらず、装備も比較的軽装だったということです。