シリアで使われたとされる化学兵器に関心が高まっているなかで、アメリカのヘーゲル国防長官は4日、北韓は韓国や日本などの同盟国を危険にさらす大量の化学兵器を保有していると指摘し、北韓が化学兵器を使用する可能性について韓国政府と対応策を協議したことを明らかにしました。
これは、ヘーゲル国防長官が4日、シリア軍事介入の是非を問う上院外交委員会の公聴会に出席して述べたものです。
そのなかで、ヘーゲル国防長官は、「シリアにおける化学兵器の使用に対して行動を起こさなければ、核開発を続ける北韓やイランに誤ったメッセージを送る可能性がある」と述べ、アメリカと同盟国の安全保障を脅かす可能性がある」と指摘しました。
また、北韓の化学兵器の保有について、「北韓の化学兵器は同盟国の韓国と2万8000人の韓国駐留アメリカ軍兵士を威嚇していて、先月、ブルネイで金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官と化学兵器問題について、長時間にわたって協議した」ことを明らかにしています。
北韓の化学兵器について、アメリカは今年初めに公表した報告書で、「北韓はこれまでの開発計画により、神経剤、びらん剤、血液剤、窒息剤を生産できる能力を持ち、化学兵器をすでに保有しているものと推定される」としていますが、どの程度保有しているのかについては触れていませんでした。
これについて、アメリカ国家情報局(DNI)が2006年に議会に提出した文書では、「北韓が非常に多くの量の化学兵器を保有しているとみられる」と指摘しています。