去年末の大統領選挙の際、国家情報院が選挙に不正に介入した事件で、捜査手続きに問題があったとして更迭された特別捜査チーム長の検事が、21日、国会の証人として出席し、「捜査に外圧を感じた」などと発言したことで、与野党の間に波紋を広げています。
証言したのは、国家情報院の大統領選挙への介入事件で、捜査を指揮した特別捜査チームの尹錫悦(ユン・ソクリョル)前チーム長です。
尹前チーム長は、17日、国家情報院の3人がSNS・ソーシャルネットワーキングサービスを使って、野党候補の批判を繰り返し書き込んだとして逮捕しましたが、翌日になって、捜査手続きに誤りがあったとして更迭され、野党側の要請で国会法制司法委員会に証人として出席したものです。
証言の中で、尹前チーム長は、「3人の逮捕にあたって、ソウル中央地方検察庁長に報告したが、認めてもらえなかった」ことを明らかにし、検察内の規則に基づいて逮捕したことや、3人の釈放や押収した資料の返却などを指示された際に「外圧として感じた」と述べました。
これについて、野党民主党は22日、国会で緊急議員総会を開き、検察が捜査を縮小して隠蔽しようとしたとして、朴槿恵(パク・クネ)大統領の謝罪を求めるとともに、法務部長官、国家情報院長、ソウル中央地方検察庁長の辞任を求めています。
一方、与党セヌリ党は、民主党が大統領選挙の結果を受け入れず、政治攻勢を繰り広げているにすぎないと批判し、国家情報院による捜査を担当して更迭された検事の証言をめぐって、与野党の間に波紋が広がっています。