韓国中部のカトリック教会で、時局ミサを開いた神父が3年前の延坪(ヨンピョン)島砲撃事件などに関連し、北韓を擁護する発言をしたとして、全州(チョンジュ)地方検察庁は、保守系市民団体の告発を受けて、国家保安法違反などの疑いで捜査に乗り出すことになりました。
検察に告発されたのは、韓国中部のカトリック教会のパク・チャンシン元老神父です。
パク・チャンシン神父は22日、全羅北道群山(グンサン)市の教会で、「不法選挙を糾弾し大統領の辞任を求める時局ミサ」を開き、「海上の南北軍事境界線とされる北方限界線付近で韓米合同軍事演習が続けば、北韓がどうするでしょうか?撃つしかないでしょう」などと述べたということです。
また、「現政府は労働者や農民の見方をすれば北韓寄りとみなし、それを選挙に利用して権力を維持してきた」などと北韓を擁護する発言をしたとされています。
これに対して、保守系の市民団体が、パク・チャンシン神父の発言は国家保安法などに違反するとして、検察に告発していたもので、全州(チョンジュ)地方検察庁では26日、捜査に着手する方針を明らかにしたものです。
パク・チャンシン神父の発言については、退役軍人の団体が大検察庁に告発していて、全州(チョンジュ)地方検察庁では捜査の主体については今後大検察庁と協議して決めるとしています。
これに関連して、朴槿恵(パク・クネ)大統領は25日、首席秘書官会議で、「国民の分裂と混乱をもたらす行為を容認したり、見過ごしたりはしない」と述べ、最大野党民主党の代表が26日、「大統領の発言こそが、分裂と混乱を引き起こす」と批判しています。