オランダのハーグで24日始まった核安全保障サミットで、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、前回の議長国として基調演説し、「核兵器のない世界をつくるため、まずは韓半島の核問題を解決すべきだ」と述べ、韓半島の非核化に向けて、国際社会の緊密な協力が重要であるとの考えを強調しました。
核兵器のない世界づくりに向けて話し合う核安全保障サミットは、2010年から2年に一度開かれ、3回目となる今年は、「核の平和利用と拡散防止」をテーマに、世界53か国の首脳らが参加して、24日から2日間の日程でオランダのハーグで始まりました。
前回の議長国である韓国の朴槿恵大統領は開会式で基調演説し、「北韓は、核拡散防止条約や国連安全保障理事会の決議を守らず、核開発を続けることで核能力を高めている。北韓の核物質がテロ組織の手に渡ることになれば、世界の平和に大きな問題となる」と指摘しました。
そのうえで、朴大統領は、「北韓の寧辺(ヨンビョン)の核施設で火災が起きた場合、深刻な事態が起こるだろう」と述べ、「北韓の核は、世界平和と安全のため必ず廃棄されなければならない」と強調し、韓半島の非核化に向けて、国際社会の緊密な協力が重要であるとの考えを示しました。
さらに、朴槿恵大統領は、核安全保障の発展に向けた国際的な対応として、核安全保障をめぐる地域協議体の構築や、原子力施設へのサイバーテロ対策を急ぐよう求めるとともに、国際社会が兵器になりうる核物質を生産しないことを求める「核分裂物質生産禁止条約」の締結を呼びかけました。