旅客船「セウォル号」の沈没事故で、検察は15日、すでに逮捕されている15人の乗員について、船長ら4人には殺人罪を適応したほか、残りの11人には遺棄致死罪でそれぞれ起訴しました。
旅客船セウォル号の沈没事故では、船長をはじめ、航海士や機関士ら乗員15人が、乗客に客室に待機するよう指示して多数が犠牲となる一方、乗客を見捨てるかたちで救助され、乗員15人全員が逮捕されています。
また、検察では、乗員の取った行動が極めて悪質で社会的にも大きな批判を浴びていることなどに配慮して、船長と1・2等航海士、それに機関長の4人については、「不作為」による殺人罪を適用したほか、残りの11人についても遺棄致死罪で、光州地方裁判所に起訴しました。 このうち、船長ら4人については、救護義務があるにもかかわらず、客室での待機を指示する案内放送によって多数の乗客を脱出させずに死亡させたとして、「未必の故意」による殺人を立証できると判断したものとみられます。
さらに船長ら4人については、殺人罪が無罪になる可能性に備え、遺棄致死罪などでも起訴しました。
今回の事故で、起訴されたのは今回の乗員15人が初めてで、このほか、船会社の清海鎮(チョンヘジン)海運の社長をはじめ、安全点検を行った整備会社などの関係者ら合わせて8人が逮捕されて調べを受けています。