2010年に起きた韓国哨戒艦「天安(チョナン)艦」の沈没について、インターネットなどで「軍が天安艦の沈没原因をでっちあげた」と主張し、名誉棄損
などの罪で在宅起訴された、元合同調査団の調査委員に対し、1審のソウル中央地方裁判所は25日、懲役8か月、執行猶予2年を言い渡しました。
被告は、2010年3月に事件が起きた直後、沈没原因を調べる合同調査チームに民間の委員として参加しましたが、「全てが韓国軍による捏造であることがわかった」として調査チームを離れています。
そして、自身が運営するインターネットサイトなどで、「天安艦の沈没は、水深の低い海域で座礁し、アメリカ軍の軍艦とみられる船舶と衝突して発生した海難事故で、軍が天安艦の沈没原因をでっちあげた」という内容の書き込みを続け、2010年8月に情報通信網法上の名誉棄損などの罪で在宅起訴されました。
判決は、事故当時測定された空中音波などをもとに、沈没は北韓の魚雷によるものだと結論付けた合同調査団の調査結果を認めたうえで、被告が、「政府が沈没の原因をでっち上げる時間を稼ぐために救助をわざと遅らせている」、「国防部長官が証拠を隠滅した」と書き込んだことは、誹謗を目的に虚偽を広めるもので、関係者の名誉を傷つけたと判断しました。
ただ、当時、沈没の原因をめぐって多様な推測と疑惑が飛び交っていたことや、 今は、それらの疑惑が全てうそであることが明らかになり、国民が惑わされる心配がないなどとして、懲役8か月、執行猶予2年を言い渡しました。