アメリカが、北韓住民に対する人権侵害を理由に、北韓の当局者らを新たな制裁対象に加える見通しとなりました。
アメリカ国務省のロバート・キング北韓人権特使は、現地時間の2日、北韓の人権問題を担当する、韓国、アメリカ、日本、3か国のそれぞれの政府代表が出席して開かれたアメリカ戦略国際問題研究所のセミナーで、「拉致問題を含め、北韓の人権侵害にかかわった北韓の高官らに制裁を科すことを検討している」と述べました。
アメリカが人権侵害を理由に北韓当局者を制裁対象にするのは初めてです。
これについて、朝日新聞は先月28日、北韓国内の政治犯収容所の運営に関わった高官ら10人前後を、人権加害者として制裁対象に加える見通しだと伝えています。
ただ、金正恩(キムジョンウン)第1書記については、米朝関係の決定的な悪化を招く可能性があるため、今回は対象から外れる可能性が高いものとみられています。
制裁対象者は、アメリカへの入国が禁止されるほか、アメリカに資産がある場合は凍結される見通しです。
セミナーで、外交部のイ・ジョンフン人権大使は、「国際社会の大きな流れは、北韓の人権侵害の関係者に対する責任の追及で、反人道的な犯罪に対する処罰を実際に執行することが重要だ」と訴えました。
北韓の人権問題を担当する韓国、アメリカ、日本の政府代表が一堂に会するのは初めてです。