与党セヌリ党の議員19人が去年1月に申し立てた「国会先進化法」をめぐる権限争議審判請求について、憲法裁判所は26日、請求を却下しました。
権限争議審判は、国家機関同士の間に権限の有無、または、その範囲をめぐって争いがあるとき、憲法裁判所に決定を求めることです。
与党セヌリ党の議員19人は、去年1月、「国会先進化法」にもとづいて国会議長が職権による上程を拒否する行為は、国会議員の法律案審議・議決権を侵害するものだとして、国会議長と国会企画財政委員長を相手取って、権限争議審判請求を申し立てました。
「国会先進化法」は、議員数の多い第一党が一方的に法案を成立させようとして与野党が激しく対立し、議場内で議員同士が身体をぶつけあって激しく衝突することを防ぐために2012年に国会で成立した法律で、与野党間で意見の食い違いがある法案を国会議長による職権で本会議に上程する場合、在籍議員5分の3以上が賛成しなければならないと定めています。
この条項について、セヌリ党の議員19人は、在籍過半数の出席に、出席過半数の賛成で議決されるように定めた憲法第49条に反し、国会議員の権限を侵害するものだとしています。
これについて、憲法裁判所は26日、「請求要件を備えていない」として、訴えを却下しました。
「却下」の決定は、請求が法律が定めた形式的な要件をそろえていない場合に行われるもので、国会先進化法が憲法に合致しているかどうかの判断が示されたものではなく、国会先進化法をめぐる論争の火種はくすぶったままとなっています。