北韓で29日、国会にあたる最高人民会議が開かれ、金正恩（キム･ジョンウン）労働党委員長が国の最高ポストとして新たに設けられた「国務委員長」に就任しました。
国務委員会は、これまで国家機関を統括してきた国防委員会に代わって今回の最高人民会議で新たに設けられた組織とみられ、国防委員会第1委員長だった金正恩氏は、国の最高ポストとして新たに設けられた「国務委員長」に就任しました。
先月はじめの朝鮮労働党大会で、金正恩氏は、党のトップの委員長に就任していて、これに続いて、父の故金正日（キム・ジョンイル）国防委員長のイメージが強く残る国防委員会に代わる組織を新たに設け、その最高のポストに就くことで、独裁体制の「唯一領導体系」の確立を完成したとみられます。
また国務委員会の副委員長としては、北韓軍と労働党、内閣を象徴する人物のファン・ビョンソ氏、チェ・リョンヘ氏、パク・ボンジュ氏をそれぞれ任命しました。
会議では、経済発展5か年戦略の徹底した実行について議論したほか、労働党の「核と経済の並行開発」路線によってエネルギー問題を解決することを中核課題として掲げることにしました。
このほかに、労働党の外郭団体だった祖国平和統一委員会が、国の公式機関となり、北韓の対韓国窓口機関のスタンスの高まりが韓国との関係にどのような影響を及ぼすかに関心が寄せられています。