朴槿恵(パク・クネ)大統領は14日、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード」の韓半島配備について、「韓国の安全保障は大きな挑戦に直面している。今は、サード配備についての不必要な論争をやめるべきだ」と述べました。
大統領府青瓦台で開かれた国家安全保障会議で述べたものです。
朴大統領は、そのうえで、サードの配備先を慶尚北道(キョンサンブクド)星州(ソンジュ)に決めたことについて、「心配する必要のない安全な地域」と強調し、「首都圏は、サードよりもパトリオットミサイルによる防御が適している」と述べました。
配備先に決まった星州については、サードの射程距離を考えると、ソウルなど首都圏は防御対象地域から外れることになることや、サードのレーダーが民家に向けて発せられるため、住民の健康への影響が心配されると指摘する声があがっています。
与野党の間でも、サードの配備をめぐる対立が続いています。
与党・セヌリ党の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)院内代表は、最大野党・ともに民主党に対し、サード配備に対する立場を明確に示すよう求めるとともに、党として反対を表明している野党・国民の党には、考えを改めるよう求めています。
ともに民主党は、「国益のため必要であればサード配備に反対はしないが、決定の過程に問題がある。国民が納得するよう、大統領が説明しなければならない」と求めるとともに、党内に「サード対策委員会」を設置し、配備先の選定過程や軍事的有効性、外交問題などについて検討するとしています。
国民の党は、サード配備についての国民と国会の意見を積極的に取り入れる必要があるとして、サード配備の決定を撤回するよう求めています。
与野党3党は、来週、国会本会議を開き、サード配備をめぐる緊急懸案質疑を行うことにしています。