北韓が参加する唯一の多国間安全保障協議体、ARF=ASEAN地域フォーラムの議長声明が、会議が閉幕した翌日の27日に発表され、北韓の核実験やミサイル発射などに懸念を表明しました。
今回のARFには、北韓の核問題をめぐる6か国協議の当事国とASEANなど27か国が参加し、各国は議長声明で、ことし初めに北韓が行った4回目の核実験と弾道ミサイルの発射など北韓の脅威を具体的に示し、北韓の国連安保理決議への違反や韓半島情勢についての懸念を表明しました。
ARF議長声明に「懸念」という表現が使われたのは初めてで、北韓に対して警告のメッセージをはっきり伝えたものとみられています。
また、参加国の代表らは韓半島の平和と安全の重要性について再確認し、平和な方法での韓半島の非核化を支持すると表明しました。
さらにARFは、南北離散家族の再会や北韓の人権問題など人道問題への対応の必要性も強調しました。
韓国外交部の当局者は議長声明について、韓国政府が反映させようとした項目は、事実上すべて盛り込まれたと評価した上で、北韓など一部の国がアメリカの高高度迎撃ミサイルシステム=THAADの韓国への配備を非難する内容を盛り込もうとしたが、アメリカなど友好国が強力に対応し、反映されなかったと説明しました。