政府系シンクタンクのKDI=韓国開発研究院は、韓国のことしの経済成長率の見通しを3%から2.8%に下方修正しました。
また、来年は経済成長を支えていた輸出の増加傾向が鈍化することで、経済成長率が2.3%まで減少するとの見通しを示しました。
KDIは、韓国経済が新型コロナの拡散と国際供給網に支障が出ている中でも輸出の好調に後押しされ、穏やかな回復傾向が続いていると分析しました。
ただ、第1四半期の民間消費が当初の予想よりも低かったほか、原材料価格の上昇と利上げなどが重なり、ことしの経済成長率の見通しを当初の3%から2.8%に引き下げました。
来年の経済成長率は、これよりもさらに低くなる見通しです。
民間消費は回復する一方で、輸出の増加傾向が鈍化して貿易収支も悪化し、ことしよりも0.5ポイント低い2.3%にとどまるとしています。
ここに、原材料の需給問題の長期化や、中国経済の急落など悪材料が重なった場合、景気がさらに悪化する可能性があるということです。
上昇幅を引き上げている消費者物価は、ことし4.2%の上昇率を記録すると予想しました。
ただ、来年は国際原油価格が多少安定し、ことしの高い水準の物価上昇率が反映されて2.2%水準まで下がると予想しました。
KDIは、物価の安定に向けて政策金利を徐々に引き上げ、財政収支の赤字幅と国際債務の増加を少しずつ正常化する財政政策が求められると提言しました。