トラック運転手によるストライキが5日目を迎えた28日、政府は、物流への影響が深刻化しているとして、陸上貨物運送分野の危機警報を「警戒」から最高レベルの「深刻」に引き上げました。
危機警報は「関心」「注意」「警戒」「深刻」の4段階があり、国土交通部は、組合員の運送拒否が全国に広がっていることや、港湾など主な物流拠点で運送に支障が出ていることなどを踏まえ、最高段階に引き上げました。
即日運送が重要なセメント業界では、セメントの出荷量が通常の10%以下に落ち込み、建設現場でのコンクリート打設に支障が生じています。ストが長引けば、鉄鋼業界や自動車業界も打撃を受けるおそれがあります。
政府と運転手らは28日午後、スト開始後、初となる交渉を行う予定ですが、双方の立場に隔たりが大きく、交渉の見通しは明るくありません。
運転手らは政府に対して、期限付きで導入された最低賃金制度を恒久化し、現行の制度ではカバーされていないほかの産業のトラック運転手にも制度の対象を拡大するよう求めている一方、政府は制度延長には応じるものの適用拡大はできないという立場です。
政府はストに厳しく対応する構えで、29日の閣議で運転手らに対して業務開始命令を出すことを審議する予定です。
国土部長官は、業務開始命令後、具体的な理由と今後の対策を国会に報告する必要があります。
運送会社や運転手が正当な理由なしに命令を拒否すれば、3年以下の懲役や3000万ウォン以下の罰金など、刑事処罰を受ける可能性があります。さらに、貨物運送従事者としての資格の停止や取り消し処分が下されることもありえます。
ただ、2004年に法律が施行されて以降、実際に命令が出されたことはありません。