尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は、国会で施政演説を行い、来年度の予算案と国政運営の方向性について説明し、国会の協力を求めました。 
 
尹大統領は31日、国会で来年度予算案に関する施政演説を行いました。
 
尹大統領はまず、これまでの国政運営の評価として、世界経済が不安定な状態にあるなか、国民の負担を和らげるため、物価の調整や生活コストの軽減などに取り組んでいると強調しました。
 
また、年金・労働・教育における改革、いわゆる「3大改革」の必要性と、改革の進み具合について説明し、協力を呼びかけました。
 
そのほか、韓米、および韓日米による協力の強化は、安全保障だけでなく経済にもプラスになることを強調し、同時に中国との協力のための努力も続けていると語りました。
 
一方、657兆ウォン規模となる来年度の予算について、ことしと比べて2.8％の増加に押さられていて、2005年以降で増加幅が最も小さいことに触れながら、「政府が行うあらゆる事業をゼロベースで検討し、合わせて23兆ウォンの支出を削減した。節約した予算は、国防や法治、教育、保健など国の本質的な機能を強化し、弱者を守り、未来の成長エンジンを確保することに使う」と説明しました。
 
尹大統領は、世界の経済と安全保障が不安定な状況においては、国を挙げた超党派の協力が必要だとして、野党が過半数以上を占める国会に対して協力を呼びかけました。
 
尹大統領の施政演説について、最大野党「共に民主党」は、「直面している経済状況に対する危機意識や国民の苦しい生活に対する共感、実質的な対策は見当たらなかった」と批判しました。