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ILO条約の批准推進へ 背景にEUからの圧力

Write: 2019-05-23 11:44:11

Thumbnail : YONHAP News

韓国政府は、まだ国会で批准されていないILO=国際労働機関の4つの条約のうち、労働者の団結権を強化するための結社の自由に関する条約など、3つの条約の批准を進める方針を決めました。
李載甲(イ・ジェガプ)雇用労働部長官は、22日「まだ批准されていない条約のうち、結社の自由に関する第87号と第98号、強制労働に関する第29号について批准の手続きを進める」と明らかにしました。
結社の自由に関する条約は、労働者の団結権を強化するためのもので、労働者が自由に労働組合を設立・加入できるようにし、労組活動に対する処罰を禁止する内容が盛り込まれています。
また、非自発的な労働を禁止する内容の強制労働に関する条約は、兵役で軍務のできない男性が社会服務要員などとして代替服務をする「補充役制度」が争点となりかねないため、改善策を講じるということです。
一方で、政治的な見解の表明やストライキへの参加を理由に、または宗教的な差別を行うために強制労働を強いることを禁止する条約については「国家保安法や刑法など、刑罰のあり方や分断国家という状況などを踏まえると、追加の検討が必要だ」として、批准の推進を保留しました。
ILO条約の批准にともなって関連する法律が改正されれば、解雇者、失業者、消防官、5級以上の公務員も労組に加入することが可能になり、また、2013年に「法外労組」の通知を受けた全国教職員労働組合も合法化される見通しです。
国会の経済社会労働委員会で合意に至っていないにもかかわらず、政府がILO条約の批准を進めることにした背景には、労働界の強い突き上げもありますが、EU=欧州連合からの圧力を負担に感じているものとみられます。
EUは、韓国がEUとの間のFTA=自由貿易協定で規定されているILO条約を批准する努力義務を果たしていないとして、去年12月に公式協議を要請してきています。
一方、政府は、ことしの定期国会で、これら3つの条約の同意案や関連法の改正案の議論が行われるようにするとしていますが、最大野党の自由韓国党が批准に強く反対していることから、国会で可決されるかどうか不透明な状況です。

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