ショートトラック
2018-01-02

平昌冬季五輪便り


ショートトラックは、正式名称を「ショートトラックスピードスケート」といいます。
名前からわかるとおり、一般的なスピードスケートから派生したもので、
1970年代後半から世界選手権が開かれるようになりました。
オリンピックでは、1988年のカルガリー大会で初めて公開競技として行われ、
1992年のアルベールビル大会から正式競技になりました。
KBSのショートトラック解説委員のチン・ソンユさんのお話をきいてみましょう。

ショートトラックは、111.12mの小さなトラックで順位を競う競技です。
記録ももちろん大事ですが、順位をあらそうという点に、ショートトラックならではの面白みがあります。
オリンピックでは1988年に公開競技となり、1992年からは正式競技になりました。
1992年にキム・ギフン選手が金メダルを獲ってから、2014年のソチオリンピックまで、
韓国選手たちが多くの金メダルを獲得してきました。


韓国の選手がオリンピックのショートトラックで獲得したメダルの数は
合計42個にのぼります。
ショートトラックがオリンピックで始まるまで、韓国では、
冬の競技は全般的に不得手であると考えられていました。
しかし、ショートトラックが正式競技になったことにより
韓国もウィンタースポーツにおけるお家芸を見つけることができました。
それ以降、韓国はすべての冬季オリンピックにおいて
ショートトラックで2つ以上の金メダルを獲得しています。

初めて金メダルを獲ったキム・ギフン選手のほか、
男子ではキム・ドンソン選手、
女子ではチョン・イギョン選手、コ・ギヒョン選手、シム・ソッキ選手など
世界的な選手がたくさんうまれています。
KBSのショートトラック解説委員のチン・ソンユさんも
トリノオリンピックで3つの金メダルを獲得しました。
チン・ソンユさんに、今回の注目選手をきいてみましょう。



今回初めて代表になったイム・ヒョジュン選手やファン・デホン選手は、
若いながらもワールドカップでいい成績を収めました。
女子では、チェ・ミンジョン選手とシム・ソッキ選手のツートップがいます。
チェ・ミンジョン選手はすべての種目で金メダルを狙えるとも言われていますが、
最初の種目である500mで金を獲れば、それも十分に可能ではないかと考えています。
ワールドカップもすべていい成績で走りぬきましたから、
全種目での制覇も、夢ではないかもしれません。


チェ・ミンジョン選手は
全4戦にわたる今シーズンのワールドカップで、合計6つの金メダルを獲得しています。
それだけに期待も大きいのですが、油断は禁物でしょう。
もっとも警戒しなければならないのは、中国の選手たちです。
韓国とはメダルを争って何度もトラブルが起きています。

また、今大会で注目される外国人選手もいます。
女子のアメリカ代表、マーミー・ビニー選手は
ガーナ出身ということで話題になりました。
そして、男子では、韓国出身のヴィクトル・アン選手。
2011年までは韓国のアン・ヒョンス選手として活躍していましたが、
その後ロシア国籍を取得。
今回のオリンピックはロシア選手団が参加しないことになり
アン選手も出場できないかと思われましたが、
個人での参加ということで出場が認められました。

オリンピックのショートトラックには、男女合わせて8つの種目があります。
前回のソチオリンピックでは、残念ながら男子は金メダルゼロに終わりました。
今回の平昌オリンピックで、
韓国は金メダル8個、総合4位を目標としていますが、
金メダル8個のうち4個は、ショートトラックでの獲得が期待されています。
伝統的な強豪国であるだけに、それだけ期待も大きいのでしょう。
しかし、ショートトラックは、不測の事態がよく起こる競技でもあります。
チン・ソンユさんのお話です。



ショートトラックは、初盤に先頭にいる選手がそのまま1位になるわけではありません。
ゴールするまで安心できない競技なのです。
ただでさえオリンピックは、選手にとって大きな負担になるのに、
それが韓国で開かれるということで、いっそう緊張感が高まることでしょう。
私も現役のころ、韓国で開かれる大会では、
韓国の人たちに良く見られたいというプレッシャーから、
失敗したり、かえって成績が悪かったりしました。
しかし、そのプレッシャーに打ち勝たなければなりません。
そのため、選手たちにとっても負担になっているでしょうが、
韓国で金メダルをとれば大きな栄光となります。
だから、しっかりと準備しておいてもらいたいですね。


ショートトラックは、これまで韓国の人々に多くの感動を与え、
冬季オリンピック最大の注目競技となっています。
今回の代表選手たちも、これまで4年間、わき目もふらず練習に励んできました。
世界最強のショートトラック選手たちが、
韓国で初めて開催される冬季オリンピックで
これまでで最高の成績を収めるのではないかと、期待されています。
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