
平昌(ピョンチャン)オリンピックの開会式に派遣される予定の北韓の 国家体育指導委員長の崔輝(チェ・フィ)氏について、韓国政府が国連の安全保障理事会に対して、制裁の免除を要請したことがわかりました。
北韓は、9日の開会式に高官級代表団を派遣する予定で、そのなかには、崔氏も含まれていますが、崔氏は、国連安保理が去年6月に採択した北韓制裁決議によって渡航が禁止されています。
国連駐在韓国代表部は現地時間の7日、崔氏について、一時的な制裁の免除や猶予を要請する書簡を国連安全保障理事会傘下の北韓制裁委員会に提出しました。
韓国政府は書簡で、「北韓代表団の韓国訪問は、韓半島の不安定な情勢を平和的、外交的、政治的に解決する環境をつくることで、韓半島の緊張を緩和させる適切な機会になる」ということを強調したとされます。
制裁の免除は、安保理の15の理事国が全会一致で賛成する場合に認められます。
韓国代表部の関係者によりますと、崔氏の韓国入りが予定されている9日前までに免除が決まるよう、北韓制裁委員会をはじめ安保理の加盟国に働きかけているということです。
去年12月22日に採択された決議では、「委員会は、これまでの決議によって課された措置について、個別の案件に応じて免除できる」と定めていて、「決議の目的に適合するそのほかの目的のために必要であると委員会が判断する場合、個別の案件に応じて猶予できる」としています。
このため、北韓が高官級代表団に崔氏を含めたのは、国連による制裁が例外的に適用される前例をつくり、国際社会による北韓への制裁に隙をつくろうとする思惑からだという見方も出ています。