スピードスケート男子500m チャ・ミンギュが惜しくも銀
2018-02-20

平昌オリンピック便り


19日、スピードスケート男子500mで。韓国のチャ・ミンギュ選手が34秒42で銀メダルを獲得しました。オリンピックレコードに並ぶタイムを記録した会心の滑りでしたが、次に滑ったノルウェーのホーバル・ロレンセン選手が34秒41を記録し、オリンピック記録が塗り替えられるという大接戦でした。わずか0.01秒の差。残念ではなかったでしょうか。

「3位までに入れて、言葉では言い表せないほど感激しています。3位以内に入ることが目標だったので、目標を達成することができてとてもうれしいです」

チャ選手にとっては初めてのオリンピックです。初めて出場したオリンピックで、オリンピックレコードに並ぶタイムを記録したことを、どう思っていますか。

「これくらいの記録が出るだろうな、という予想記録があったのですが、その記録を出すことができたので、いったんは成功したと思いました。また、記録がよかったので正直金メダルも狙うことができるのではないかと思いました。0.01秒の差でかないませんでしたが。。。」

チャ選手は、ソチオリンピックの韓国代表選抜戦を前に足首が故障し、ソチオリンピックに出場することができませんでした。そのことが今回の銀メダルにつながったのでしょうか。

「当時は選抜戦に出ることができませんでしたが、それだけに平昌には行こうと、たくさんの努力をし、徹底的に準備しました。平昌オリンピックではうまく滑れるように」

足首の故障もそうですが、チャ選手が銀メダルをとるまでに成長した過程は、多くの曲折がありました。もともとスケートを始めたのも体が弱かったチャ選手がもっと丈夫になれるようにという両親の希望からで、選手になることまでは考えていませんでした。また、実はチャ選手は小学校の時から高校までショートトラックの選手として活躍していましたが、大学進学を前に、スピードスケートに転向したといいます。

「ショートトラックもけっこう滑れたのですが、体のぶつかり合いがあまり好きではなくて。。ただ記録のことだけを考えて滑るスピードスケートが自分には合っていると思いました。よい選択だったと思います」

足首の故障で運動は無理だと医師から言われた時も、リハビリを選択したチャ・ウンギュ選手。リハビリがきつかったとき、ほかの道を考えたこともあったけれど、スケートを続けたいという気持ちで耐えたといいます。これからもエースにふさわしい活躍を期待します。


氷の質が好評

今回のオリンピックでは、氷の質が良いと、選手たちが口を揃えています。
スピードスケート女子の小平奈緒選手も、競技場での初めての練習を終えてから、「リンクの中が暖かいので体を動かしやすいし、氷も固くてコントロールしやすい」と話したと言います。

また同じく初めての練習を終えたフィギュアスケート男子シングルのアメリカのネイサン・チェン選手も、競技場での初めての練習を終えてから、「素晴らしい氷質」だという感想を残しています。
スケルトン男子金メダルを獲得したユンソンビン選手も、「氷の状態がとてもいい。一度も経験したことのない氷質だ。よく管理されている」と話しています。

氷上競技が行われる競技場の氷は、凍らせる過程を250回以上繰り返して作りあげます。例えば5センチの氷をつくるには、0.2ミリの薄い氷をつくる過程を250回繰り返すのです。一度に大量の水を凍らせると、酸素が多くなり、氷の強度が弱くなるからです。

ショートトラックとフィギュアスケートは同じ競技場、カンヌンアイスアリーナで行われますが、二つの競技の氷の条件は異なります。ショートトラックの氷は厚さ3センチ、フィギュアスケートは5センチです。また氷上の温度はショートトラックが氷点下7度以下、フィギュアスケートは氷点下3~4度が最適の温度です。
カンヌンアイスアリーナでは冷凍機3台を使い、氷面の状態を1時間30分で変えられるようにしています。また、リンクの床下に冷却管と温水菅を敷きつめ、氷質をすばやく調整できるシステムをつくりました。

氷質が良いことは、新記録がたくさん出ていることからもわかります。
オランダのスピードスケート男子5000m代表で、自らが持つオリンピック記録を更新したスベン・クラマー選手は1986年生まれの32歳。スポーツ選手として若いとはいえません。年を重ねるほど技が発展するという要素もありますが、競技場の氷質も、彼の記録更新に役に立ったのではないか、というのが専門家らの一致した意見です。

ショートトラックでもオリンピック記録が出ています。女子3000mリレーで、韓国のイ・ユビン選手が転倒しましたが、それを挽回して余りある4分06秒387というオリンピック記録が出ました。平昌オリンピックの氷の質を総括しているのはペ・キテさん。スピードスケートの韓国代表出身で、この17年間、氷の質をよくすることに努力してきました。残りの競技でも、最高の氷で最高の記録が出る大会になりますように。

(Photo : Yonhap)
Go Top