ヨナキッズのチェ・ダビンが活躍 
2018-02-22

平昌オリンピック便り


21日、フィギュアスケート女子、ショートプログラムが行われました。
韓国からはチェ・ダビン選手が出場。
自己ベストの67.77点で8位になり、フリーへと駒を進めました。

「何位であるかより、私ができることをすべてお見せしたので、満足しています。
韓国で開かれるオリンピックということで、多くの人が応援に来てくれて、
最善を尽くせたのだと思います」


チェ・ダビン選手は2000年生まれの18歳。
シニアに上がってから2度目のシーズンとなる去年の札幌アジア大会で
金メダルを獲得し、
一躍、韓国フィギュア界の期待の星と呼ばれるようになりました。
チェ選手はキム・ヨナさんにあこがれて
本格的にフィギュアの道を歩むようになったということで
「ヨナキッズ」と呼ばれています。
高校もキム・ヨナさんと同じ、3月から進学する大学も同じ、
所属事務所も同じで、キム・ヨナさんから直々にアドバイスを受けているそうです。
チェ選手が21日のショートプログラムに選んだ曲は、
映画「愛のイエントル」から、「Papa, Can You Hear Me?」。
これは、キム・ヨナさんもジュニア時代に使っていたものです。
羽生結弦選手なども手がける宮本賢二さんが振り付けを行いました。

「母のことを考えながら演技をしました。
とても緊張しましたが、コーチが「あなたを信じている」と言ってくれたので、私も、自分を信じて滑れました」


この曲で演技をしながら、お母さんを思っていたと語るチェ選手。
実は、去年の6月にお母さんを癌で亡くしています。
しかし、その直後に行われた選考会で、見事優勝しました。
また、成長痛のためスケート靴が合わないという問題も生じましたが、
左右違う靴にすることで、乗り越えてきました。
清楚ないでたちの裏には、強い精神力を隠し持った選手なのです。
23日にはいよいよフリーが行われます。
亡き母の見守るなか、韓国の人々の見守るなか、
自分の満足できる最高の演技を見せてくれることでしょう。



御賜花・スホランの人気
今回のオリンピックでは、メダルを渡す「メダルセレモニー」のほか、
競技直後の表彰式「ビクトリーセレモニー」で
ぬいぐるみが渡されていることが話題になっています。
このぬいぐるみは、今回のオリンピックのマスコット「スホラン」です。
スホランは、守り神を象徴する白い虎をモチーフにしたもので、
守ること「守護」の韓国語の「スホ」と、トラの韓国語「ホランイ」、
そして、オリンピックの舞台となっているジョンソン一帯に伝わる民謡
「ジョンソン・アリラン」を掛け合わせています。

しかし、セレモニーで贈られるぬいぐるみを見てみると
ただのスホランでなく、
カラフルなアクセサリーがあしらわれた黒い帽子をかぶっています。
これは、「御賜花(オサファ)」といって、
朝鮮時代、科挙に合格した人が、王からもらう贈り物でした。
なかでもスホランのものは、
儒学者・栗谷李珥の御賜花をモチーフにしているということですが、
栗谷李珥は9回科挙を受けて、すべて主席で合格し、
長い朝鮮時代のなかでも科挙において最も優秀であったと言われています。
今回のオリンピックでも、その優秀な儒学者になぞらえることで、
メダリストたちをたたえているのでしょう。
この御賜花をかぶったスホラン。
公式ショップの商品にもなっていますが、
人気が高く、なかなか手に入れることができません。
オリンピック期間と重なった旧正月・ソルラルのプレゼントとして
多く買い求められたほか、
勉強第一の高校生の子どもたちをもつお母さんたちも
「科挙に合格したスホラン」が縁起がいいということで
こぞって買っていったからです。
そのため、定価は3万9000ウォンですが、
取引サイトでは10万ウォンから15万ウォンで取引されています。
こうした商売が横行するのは、いい傾向とは言えませんが、
それでも、マスコットがここまで愛されているということは
今回の大会の誇らしい点の1つと言えるでしょう。

(Photo : Yonhap)
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