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核問題一般
核問題主要争点
核兵器関連一般事項
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高濃縮ウランはなぜ問題なのか。
北韓の核能力はどの程度か。
北韓は核放棄の見返りとして何を要求しているのか。
アメリカが北韓との直接対話を拒んでいる理由は。
Q 高濃縮ウランはなぜ問題なのか。
A 第2次核危機の直接の原因だからだ。
2002年10月に北韓が認めた核開発計画は、高濃縮ウランによる核兵器開発プログラムだ。
プルトニウムは原子炉を稼動させることでウランが変化して生成される。プルトニウムを利用した核兵器の開発は原子炉の稼動状況を精密に検討すれば把握できる。つまり監視と統制が可能だ。しかし高濃縮ウランを利用すれば秘密裏に核兵器を開発できる。 (☞ 高濃縮ウラン)

高濃縮ウランをめぐる米朝間の争点は二つだ。まず、高濃縮ウランが存在するかどうかだ。アメリカは北韓が高濃縮ウランを持っているという証拠があるとしており、北韓も2002年10月にその事実を認めたと主張している。しかし、アメリカは証拠を公開せず、北韓はそのような事実を認めたことはないと主張している。もう一つは、核兵器開発の意図だ。この問題は北韓が原子力を平和的に利用していると主張していたときには問題になりえたが、北韓は現在、核兵器を保有していると主張しており、今の段階では論点となりえないとも言える。しかし、核問題を解決する過程で、北韓がジュネーブ合意を破棄したことなどを考えると、北韓が核兵器を開発したこと自体が問題となる。
Q 北韓の核能力はどの程度か。
A 北韓が核兵器開発を手がけたのは1950年代からだと推定されている。1960年代には寧辺に研究用原子炉を導入し、ソ連の技術支援で大規模な核研究センターを建設した。ここで専門家を養成し技術を蓄積してきた。北韓は埋蔵量が400万トンに達すると推定されるウラン鉱山があり、核開発に有利な条件を備えている。

1970年代には核燃料の循環周期、すなわち燃料の精錬、変換、加工技術を集中的に研究し、自力で研究用原子炉の出力拡大に成功、1980年には5000キロワットの第2原子炉の建設に着手した。1980年代には、1986年にウランの精錬、変換施設の運用をスタートさせ、1989年には泰川に20万キロワットの原子力発展所、寧辺に大規模再処理施設を着工するなど、原子力の実用化や核開発のシステムを完成することに努めた。

1990年代に入って核燃料の確保から再処理に至る核燃料周期を完成させたものとみられる。しかし、核兵器を保有しているかどうかについてはまだ断定はできない。 その理由は、高度の精密技術を必要とする起爆装置の開発と実験が行われたかどうかが確認されていないだけでなく、核弾頭を運搬するためのミサイルの射程距離、核弾頭装着能力などがまだ不確実なためだ。とはいってもプルトニウム抽出能力などから推測すると、少なくとも初歩的水準の核兵器製造能力を持っていることはほぼ確実で、実際に核兵器を保有している可能性も排除できない。

北韓の核については正確な情報が不足しており、専門家の間でも判断が入り混じっているが、今では核兵器を保有しているという見方が強くなっている。ただ、保有している数については、1個から2個という見方もあれば、7個から8個という見方もあるなど、まちまちだ。中国とロシアは北韓が実際に核兵器を保有しているとはみていないようだ。
Q 北韓は核放棄の見返りとして何を要求しているのか。
A 第1の要求は体制安全の保障、次は経済支援だ。
北韓の最終的な目的が何なのかについてはまだはっきりしない部分がある。アメリカとの完全な関係正常化が目的だということが明らかだが、核兵器の保有が最終的な目的だという見方もあれば。核兵器の保有は目的を達成するための手段だという見方もある。

具体的な要求事項は、
- アメリカが北韓を攻撃しないという確約。(米朝相互不可侵条約)
- アメリカが北韓の体制を公式に認めること。(テロ支援国指定と経済制裁の解除)
- 完全な関係正常化(大使級外交関係の樹立)などだ。

それだけに北韓は「悪の枢軸」といった表現に強く反発している。経済支援は、北韓が核を放棄する代わりにエネルギーを支援することを意味する。軽水炉建設や重油の支援などがこれに含まれる。北韓としては体制の安全を保証することと経済支援は別々に考えることはできない。つまり、どちらか一つだけでは核問題を解決することはできない。そのため北韓は核を放棄する過程をいくつかの段階に分けて、段階ごとにそれに相応する見返りを要求している。北韓はアメリカを信頼していないので、アメリカの出方を見極めた上で行動するということだ。
Q アメリカが北韓との直接対話を拒んでいる理由は。
A アメリカはジュネーブ合意に反して核兵器を開発した北韓を信頼できないとしている。
このため核計画を放棄した後で、米朝間の直接対話が可能だという立場を堅持している。核放棄に至る段階では6カ国協議の枠組みの中で話し合いを進めることにしているが、6カ国協議の枠組みの中では米朝間の直接対話も可能だとしている。