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ライフスタイル

第53話 韓国の国立墓地について

2009-06-08

玄海灘に立つ虹

第53話 韓国の国立墓地について
韓国で6月6日は顕忠日です。
国のために命を捧げた人たちの魂を慰め、追悼する日です。
この日は大統領をはじめ政府要人らだけでなく、一般国民も国立墓地を参拝します。また午前10時にサイレンの音とともに全国民が1分間黙祷をします。
ソウルにある国立墓地は正式名称を国立ソウル顕忠院といいます。ここはもとは1955年、国軍墓地として造られましたが、その10年後の1965年、国立墓地となりました。ここには軍人や公務員として戦死、殉職した人、長官級の将校または20年以上軍に服務した人、独立運動家、戦闘に参戦しその功労が著しかった人、国葬あるいは国民葬で弔われた人、大韓民国に功労が著しい外国人らが入れるようになっています。広さは143万平方メートルで、16万5000位あまりの英霊が祭られています。
大統領としては朴正熙(パク・ジョンヒ)前大統領夫妻と李承晩(イ・スンマン)前大統領夫妻の墓があります。また朴前大統領の棺を運んだ車を見ることができます。ソウルの国立墓地が満杯になっているため新しく造られたのが、大田(テジョン)にある国立大田顕忠院です。1979年に造られた大田の国立墓地は329万6807平方メートルで、ソウルの倍以上の広さで、1986年以降の英霊が祭られています。ここには国家元首1位(崔圭夏(チェ・ギュハ)前大統領)、独立運動家1982位、国家功労者17位、無名戦士30位、位牌4100位が祭られています(2007年現在)。

他にも釜山に国連記念公園、光州に国立5.18民主墓地などの国立墓地があります。国連記念公園には韓国戦争に参戦した国連軍の戦没者が祭られています。5.18民主墓地は1980年にあった光州民主化運動で亡くなった人たちが眠っています。あと、ベトナム戦争に参戦した人を祭る国立墓地などもあります。
このように韓国では国立墓地が全国にありますが、国立墓地は顕忠日に訪問するだけでなく、いずれも、子どもたちが遠足に行ったり、絵を描いたり、作文大会をしたりする、普段からたくさんの人に親しまれている場所になっています。入場料や駐車料はなく、春は桜などの花がきれいに咲き乱れ、秋は紅葉が美しい所です。忠誠や追悼を強要するのではなく、それらが生活の中に身近に溶け込んでいる場所だといえます。

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