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文化

‘チョパイル(初八日)’にまつわる話

#国楽の世界へ l 2013-05-15

国楽の世界へ

‘チョパイル(初八日)’にまつわる話
韓国文化シリーズ第6回の今日は、日本の花祭り、灌仏会に当たる“チョパイル(初八日)”にまつわるお話をお送りしていきたいと思います。

陰暦の4月8日はお釈迦様の生誕日だということです。日本のみなさんは、お釈迦様の誕生日をお祝いする灌仏会、もしくは花祭りに参加したことはありますか。日本では仏教系の幼稚園などは行事を行ったり、甘茶を頂いたりといった風習がありますよね。最近では、新暦の4月8日に潅仏会が開かれることもあるようです。けれど、おそらく韓国ほど、こういったイベントが大々的に行われることは少ないのではないかと思います。韓国では日本と違い、二大宗教である、キリスト教、そして仏教にちなんだ祝日があります。キリスト教に関する祝日といえば、おそらく誰もがクリスマスを思い浮かべますよね。そして仏教はというと、先ほどご紹介した旧暦の4月8日、今年は5月17日がこの日に当たります。昔からこの日は4月の初めの8日ということで、漢字で初めの初に八日と書いて、“初八日”と呼ばれてきました。最近では、釈迦誕生日(ソッカタンシンイル)、もしくはお釈迦様がいらした日(부처님오신날)と呼ぶことが多く、全国的にさまざまな行事が行われるんですよ。

紀元前5世紀ごろ、インドから始まったとされる仏教が、韓国に伝来したのは、西暦372年のことだとされています。つまり1600年あまり前から、すでに仏教は韓国人の生活に密着したものとなっていたということですよね。仏教の伝来後、統一新羅、そして続く高麗では、およそ千年もの間、国の宗教として仏教を指定し、全国民の生活と文化に影響を与えてきました。こういった歴史を裏付ける事実が、現在、韓国で登録されている文化財のうち、およそ65%が仏教関連の文化財だということです。仏教は、単なる外来宗教のひとつではなく、韓国人の民族精神に深く根付いている伝統文化だと言っても過言ではないでしょう。その中でも新羅時代の風俗であったオープニングでもご紹介した釈迦誕生日は、昔から初八日と呼ばれ、さまざまな行事が行われてきました。特に、新羅時代の風習である、八關會とタプトリは、その後も長い間続けられてきました。八關會はもともとは、殺生、盗み、姦淫、嘘、飲酒禁止という5つの戒律に、贅沢をしない、高いところに座らない、午後には断食を行うという3つの戒律を合わせ、一日に8つの戒律を厳格に守るという仏教儀式です。そして、タプトリとは、塔めぐりを意味し、夜通し塔の周囲を回りながら、自ら、そして家族の健康と安寧を祈願するもので、仏教の修行のひとつとされているものです。
タプトリに関する逸話をひとつ、三国遺事という書物に記録されているお話です。新羅のキム・ヒョンという人物が初八日にタプトリを行ったところ、とても美しい女人が現れ、キム・ヒョンは一目でその女性に魅了されてしまいます。後にこの女性はトラが化けたものだったということがわかりますが、ひたむきなキム・ヒョンの愛情に感動したトラは命をかけて彼を守ったという伝説です。さて、初八日には、道にそって、明るい提灯が飾られるのですが、こういった風習も統一新羅時代に始まったものだということです。にんにくやスイカ、つるなど、さまざまな形の提灯が並べられた光景を楽しんだことから、竿灯ノリとも言われています。けれど、なんといっても元祖はやはり、蓮の花の形の提灯で、今でも一番多く見受けられます。蓮の提灯を点すという意味から、提灯祭りのことを蓮灯会とも呼んでいるんですよ。今でも毎年、初八日の時期には蓮灯会が開かれ、外国人観光客なども多く訪れる韓国を代表するお祭りのひとつに数えれられています。昨年はこの蓮灯会が重要無形文化財にも指定されたんですよ。

♬ 蓮の花咲く
♬ タプトリ
♬ 南道雑歌、ポリョム

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