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丹青
韓国文化シリーズ第84回の今日は、華やかな色彩、「丹青(たんせい、タンチョン)」というテーマで国楽の世界へ、みなさんをご案内いたします。

赤と青、または絵を描くことを、赤の丹に青と書いて丹青と言います。同じ漢字を書いて、韓国ではこれをタンチョンと言います。韓国でいうタンチョンとは、五色で描いた華やかな模様を指します。タンチョンには、五つの色で世の中の調和を成すという意味が含まれているんです。
みなさんは韓国の宮殿やお寺の本堂などに描かれた華やかな模様をご覧になったことがあるでしょうか。韓国の歴史ドラマなどを見ると王様の宮殿などには華やかな色の模様があります。これを丹青(たんせい、タンチョン)と言うんです。日本で言う丹青は、赤と青、色彩や絵具という意味ですが、韓国では赤、青、黄色、白、黒の五色で描いた華やかな模様を指すんです。五色で描かれた模様や塗装工事そのものを指すこともあります。朝鮮時代の上流階層ヤンバンは質素なものを好んでいたそうですが、建物だけは華やかものが多かったようです。当時はほとんどが木造でしたが、タンチョンは木材が腐るのを防ぐ役割もしたそうです。また害虫から木材を守るなど、タンチョンの役割は見た目だけではなかったのです。建物の特殊な用途と威厳を象徴するものでもあり、普通の家にはできないよう法律で定めていたようです。華やかな模様が描かれた建物は、何か特別な場所であったんだと思っても間違いないと思います。それでは、最初の曲は管楽器テグムの演奏です。「平穏な山寺の日常、평온한 산사의 일상」という曲です。


タンチョンの由来は、先史時代にさかのぼります。当時、神に祭祀を捧げる時、祭壇を飾るなどしていたのがそのはじまりだそうです。タンチョンは悪鬼を追い払うためでもあり、権力を表す手段でもありました。今や三国時代の建物は残っていませんが、高句麗の古墳の壁画には蓮華や雲など多様な模様が描かれてあります。新羅の雁鴨池(アンアプチ)という場所ではタンチョンの跡が残っている瓦やタンチョンの絵具を入れていた入れ物などが発掘されています。当時タンチョンが広く使われていたのが分かります。ここで、韓国の宮中舞踊「處容舞(チョヨンム)の伴奏音楽」をお聞きいただきます。笛とテグム、ヘグムで演奏いたします。


処容舞とは、鬼を追い払うために仮面をかぶって踊る踊りをいいます。5人で踊りますが、それぞれの服装は五方色(オバンセク)と呼ばれる五つの色からなっています。東西南北と中央の方向を象徴する色で、東は青、西は白、南は赤、北は黒、中央は黄色です。この五方色というのは色んなところで見つけることができるんです。楽器の配列もこの色に合わせて、東には青い楽器を、西には白い楽器を置きます。食べ物や私たちの体の中の臓器も五方色に合わせて区分することもあります。言い換えると、世の中は全て五方色で構成され、タンチョンは世の中の調和を具現するという意味があるんです。タンチョンはただの色や模様ではなく、こういう意味を含んでいたのです。今日の最後の曲は、クァク・スウンさんのカヤグムの演奏で「空の模様、하늘그림」という曲です。

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