メニューへ 本文へ
Go Top

文化

梅花歌ほか

#国楽の世界へ l 2015-01-14

国楽の世界へ

梅花歌ほか
毎年この時期になると、ソンビは梅の花が咲くのを待ち望んでいたそうです。今日は、歳をとることをこの梅の花に例えた歌「梅花歌(メファカ)」、早いテンポのカヤグムの演奏「フィモリ」、そして、韓国固有の管楽器センファンとタンソの二重奏までをお楽しみいただきます。

日本も韓国も真冬の寒さが続いています。でも昔は、冬至が過ぎると既に春がはじまったものとされていました。冬至を境に昼が長くなるので、その通りかも知れません。学者のソンビは、この頃になるとあるお花を待ち望んでいたようです。梅の花です。梅の花は、蘭、竹、菊と共に四君子と言われました。気品に満ちて風格があるということから、4種類の植物)を君子として称えた言葉です。朝鮮時代を代表する哲学者、イ・ファン先生は梅の花をなんと大事にしたか分かりません。亡くなる時の最後の遺言が、「あの梅の花に水をやりなさい」ということだったそうです。梅の花の歌、「梅花歌(メファカ)」は、毎年歳をとることを嘆きながら、これを梅の花に例えて歌ったものです。梅の花の歌、「梅花歌」を、チョン・チンキョンさんの歌でお聞きください。


梅の花の歌、「梅花歌」でした。穏やかでありながらも胸が弾むような曲だったと思います。みなさん、冬のある日のソンビの部屋の中を想像してみてください。窓際には素朴な白磁の植木鉢があって、梅の花が一株植えてあります。その反対側には火鉢が置いてあるかもしれません。風流を楽しむソンビであったなら詩を作ったり、芸者が演奏するカヤグムを楽しんでいることでしょう。ところで、独奏曲の形式に散調(サンジョ)というものがあります。散調は今から約100年前、朝鮮後期にできたものだそうです。パンソリや祭儀を行う時に演奏したリズムやテンポを基に、ひとつの楽器だけでも演奏できるように構成したものです。散調は「진양조、チンヤンジョ」と呼ばれる穏やかなテンポからだんだん速くなるのが特徴です。この早いテンポを「중모리、チュンモリ」、「중중모리、チュンチュンモリ」、「자진모리、チャジンモリ」と言いますが、これはテンポの速さを指す用語なんです。ゆっくりはじまる出だしは、まるで恨みを抱いているかのようにも聞こえます。これがだんだん速くなり、最後の方では恨みを晴らして羽ばたいていくかのような印象を与えるんです。ここで、「자진모리、チャジンモリ」というテンポで演奏した後、最も早いテンポに移り変わって演奏する場面です。崔玉三流(チェオクサムリュ)、カヤグム散調の中から「フィモリ」を、イ・ジュウンさんのカヤグムの演奏でお聞きください。

崔玉三流(チェオクサムリュ)、カヤグム散調の中から「フィモリ」でした。詩を作ること、書すること、絵を描くこと、ソンビにとっては特別な趣味というより日常の生活そのものです。もちろん中には実力が劣る者もいたかもしれません。でも批評もできないほどではソンビとは言えなかったと思います。ソンビの絵は文人画と呼ばれ、落ち着いた描き方が特徴です。単純な色彩で余白を生かしながらも、しっかりと表現するのがポイントです。厳しく言えば、ソンビの世界でだけ通じる文化であったともいえます。2002年に封切りした「酔画仙(すいがせん、チファソン)」という映画をご存知でしょうか。朝鮮後期、天才の画家と呼ばれたチャン・スンオプという人の生涯を描いたものです。この映画、「酔画仙」に登場する音楽をご紹介いたします。映画の中でチャン・スンオプがメヒャンという芸者のキーセンと一緒に演奏した音楽です。韓国固有の管楽器センファンとタンソの二重奏、「センソ並奏(ビョンジュ)、水龍吟(スリョンウム)」という曲です。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >