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文化

パンソリ

#国楽の世界へ l 2015-09-16

国楽の世界へ

パンソリ
パンソリは民族芸能のひとつで、物語りに節をつけて歌うものです。今日は、パンソリの中でも意地悪な人物を探ってみたいと思います。まずは、フンボの歌の中から「ノルボの意地悪」という曲、シムチョンの歌の中から「ペンドギの行い」、最後は、ピョンガンセとオンニョのお話し「ピョンガンセタリョン」をお楽しみください。

漢方では、人の内臓をすべて合わせて、五臓六腑といいます。五臓は、肝臓・心臓・脾臓・肺臓・腎臓の五つの内臓を指します。六腑は、大腸・小腸・胆・胃・三焦・膀胱を指す表現です。五臓六腑とは、心の中を指す表現でもあります。韓国の物語りには、五臓六腑に意地悪なものがもうひとつくっついた、五臓七腑の人が登場します。パンソリ、フンボの歌に登場する意地悪な兄、ノルボがその主人公です。ノルボは意地悪な兄、フンボは善良な弟です。フンボの歌は、兄ノルボがどんな人なのか説明する内容からはじまります。火に油を注ぐようなことはもちろん、独り身になった未亡人をいじめることもあります。医師からは針を盗み、美しい絹織物には水鉄砲で水をかけます。馬に乗って畑を横切ったり、泣いている赤ちゃんをいじめ、目が不自由な人を川に導くという悪者です。本当にこんな人がいるのかと思いますが、時にはこれよりひどい人とも出会うものです。今日の最初の曲は、フンボの歌の中から、「ノルボの意地悪、ノルボシムスル」という曲です。

周りを見渡してみると、ノルボのような性格を一つや二つは持っている人もいるものです。この曲を聴いたパンソリの観客は、自分が嫌いな人を浮かべながら笑ったことだと思います。このように意地悪な人が、いつか反省してまともな人になるというストーリー、想像するだけでも気持ちがすっきりします。パンソリの中には、ノルボ以外にも意地悪な登場人物がいます。シムチョンの歌に登場するペンドギという女性です。親孝行のシムチョンは、盲目の父の目を治すために船乗りに身を売ります。その代価のお金に目を付けたペンドギは、シムチョンの父に接近します。シムチョンの父と結婚したペンドギは、お金の無駄使いはもちろん、お酒やたばこで財産を使い果たしてしまいます。哀れな父は、このような女性を妻として迎え入れたのです。村の人々は彼女の悪口をいう一方で、悪口を楽しんでいたようです。それでは、ここで、シムチョンの歌の中から、「ペンドギの行い」という歌をお楽しみください。

ペンドギの行いは、ノルボと比べるとそれほど大きな罪ではないのかもしれません。ノルボが他の人々をいじめていたとしたら、ペンドギはお酒やたばこで財産を使い果たした人です。当時の女性に対する視線からすると、ノルボよりも大きな非難を受けたかもしれません。また、今では歌詞だけが伝わっているパンソリに、ピョンガンセタリョンというものがあります。ここには、当時社会で非難を受けた二人の人物が登場します。ピョンガンセとオンニョです。ピョンガンセは怠け者である上に、博打にも手を出す男です。彼はともかく、さらに哀れな人は、オンニョという女性です。夫となる者が次々と亡くなったからです。それでは、この物語りをお聞きになってみてください。イ・ウンチャン先生が歌う、「ピョンガンセタリョン」です。

ピョンガンセタリョンは、社会の中でも最も貧しい人々の暮らしを描いたと評価されます。パンソリは、語り手が太鼓に合わせて物語りを歌うものですが、昔の社会の様子を垣間見ることができる、面白いジャンルなのです。

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