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文化

笛(ピリ)

#国楽の世界へ l 2016-04-20

国楽の世界へ

笛(ピリ)
みなさんは、笛といえば、どんな楽器を浮かべますか。西洋の楽器には、フルートやリコーダーがあります。また、韓国の伝統的な楽器には、タンソやトゥンソと呼ばれるものがあります。昔は、ヤナギや草でも笛のように音を出しました。笛は、韓国語でピリといいます。ヤナギの笛「ボドゥルピリ」や草の笛「プルピリ」などがあります。口で吹いて音を出す楽器は、ほとんどピリと呼ばれます。しかし、専門的な意味でのピリは、指くらいの太さで、約20から30センチくらいの長さの竹の管でできています。ここに、振動させる役割をする「キョブソ」というものをはめて、縦方向で吹きます。笛は、小さい楽器ですが音が大きくしっかりしています。宮中音楽から民間の民謡、仮面をかぶって踊るタルチュムに至るまで、多様なジャンルの音楽においてメロディーを担当する楽器です。今日の最初の曲は、ピリの独奏です。朝鮮後期、宮中の宴会で演奏した曲に、「ピョンチョフェサン」というものがあります。8曲で構成されますが、その最初の曲、「サンリョンサン」を、キム・キョンアさんのピリの独奏でお聞きください。

最近のようにヤナギがみずみずしい時期には、昔の子供たちはヤナギで笛を作って吹きました。水分をたっぷりと含んだ太めの枝を切って軽くねじると、皮と芯が分離されます。枝の片方の端を削って、口で吹くのです。適当な大きさで穴を開けると、簡単な民謡くらいは演奏できます。竹で作った笛と、ある程度似たような音が出るのです。また、麦が実る頃になると、麦わらの茎で笛を作ることもありました。これは、ボリピリといいます。大したおもちゃがなかった昔の子供たちには、春に楽しめる立派なおもちゃだったのです。だからなのか、春と笛の音はよく似合うような気がします。次の曲は、ピリと様々な楽器を共に演奏した器楽曲です。京畿地域の民謡、「チャンブタリョン」という曲です。チャンブとは、巫女ムーダンの夫でありながら楽器を演奏する人を指す表現だそうです。チェ・キョンマンさん他、みなさんの演奏でお楽しみください。

笛、ピリには、ヒャンピリ、タンピリ、セピリの3種類があります。ヒャンピリは、宮中音楽からソンビの風流音楽、民族音楽に至るまで、韓国固有の音楽で演奏された笛です。また、タンピリは唐の笛という意味です。中国の唐を、韓国ではタンと発音するからです。本来は、中国で伝わった音楽の演奏に使われたようです。でも、韓国で作った宮中音楽の中にも、タンピリで演奏するものがありました。そして、セピリは音が小さく、風流房と呼ばれるところで弦楽器を中心にした音楽を演奏する際に使いました。風流房とは、韓国語ではプンリュバンといいますが、上流階層の人々が演奏を楽しむ場所を指します。最近は、楽器ごとに、演奏する者の個性を生かして、一般に親しまれる音楽が多いようです。今日の最後は、創作音楽で知られるアン・ウンキョンさんのピリの演奏をお送りいたします。「カエルへ、개구리에게」という曲です。

ピリは、もともと様々な形で演奏された楽器です。そのせいなのか、むしろ創作音楽では演奏されることが多くありませんでした。でも、言い換えると、今後はより多様な形での演奏が期待できる楽器ではないかと思います。

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