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「窓を開けようと」ほか

#国楽の世界へ l 2025-07-15

国楽の世界へ

「窓を開けようと」ほか
昔の人々は、扇子に八つの徳があると言いました。ひとつ目は、風を起こすことです。地面に敷いて座ることもできますし、強い日差しを遮ることもできます。また、何かを指し示したり、遠くにいる人を呼ぶ道具にもなります。借金取りに出くわした時には顔を隠し、年長者の前であくびを隠すこともできます。そして、最後の徳は、壊れて捨てても惜しくないことだそうです。朝鮮時代、イム・ジェさんは、平壌を旅していたとき、幼い芸者妓生(キーセン)と出会いました。一緒にお酒を飲んでから別れるとき、扇子に詩を書いて渡したそうです。真冬に扇子を渡すのを不思議に思わないで欲しい、君はまだ幼くて知らないだろうが、恋しい人を思い出すと夜中に胸が熱く燃え上がり、六月の猛暑は比べものにならないからという内容です。今日の最初は、そんな気持ちを歌う曲です。恋しい気持ちが落ち着かないとき、窓でも開けたいという内容の歌です。イ・ユンジンさんの歌で、「창 내고자、窓を開けようと」という曲をお聴きください。

先ほど扇子の八つの徳についてお話ししましたが、韓国の伝統芸能パンソリの舞台でも扇子は欠かせない道具です。歌い手が一人で舞台に立ち、両手で扇子をしっかりと握ったり、大きく広げたりして使います。例えば、「フンボの歌」は、善人の弟がヒョウタンを割って宝物を手にし、大金持ちになるストーリーですが、歌い手はヒョウタンを割る場面で扇子を使います。また、目が不自由な父が登場する「シムチョンの歌」では、父が歩くとき使用する杖として、扇子を用いるんです。続いては、「シムチョンの歌」から、父が村の女性らと、お餅をつく作業をしながら歌う曲をご紹介します。ユ・テピョンヤンさんの歌と、キム・ヒョンソクさんの太鼓で、シムチョンの歌の中から、「バンアタリョン」という曲をお楽しみください。

国の行事で、黄色い伝統衣装を着た軍楽隊が太鼓やラッパを鳴らしながら行進する様子をご覧になったことあるでしょうか。このとき演奏する音楽が、「大吹打(テチュィタ)」です。演奏する楽隊は、「吹打隊(チュィタデ)」と呼ばれます。口で吹く管楽器と手で叩く打楽器を演奏する楽隊という意味です。今でいえばパレードのようなものですが、吹打隊の行列は、とても面白い見物でした。1800年代の漢陽の様子を歌った音楽にも、吹打隊に関する記録があります。今の演奏スタイルとほとんど変わらないそうです。指揮者が棒を高く掲げて合図をすると、音楽が始まります。数年前、BTSがこのときのセリフを音楽に引用して話題になったこともありました。それでは、今日の最後は、国立国楽院の正楽団による演奏で、「大吹打」という曲をお送りいたします。

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