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ライフスタイル

性犯罪者に対する去勢の是非

2012-09-11

玄海灘に立つ虹

性犯罪者に対する去勢の是非
最近、幼い児童に対する性犯罪のニュースがよく聞こえてきます。
夜、隣家に忍び込み寝ていた幼児を布団に包んで連れ出し
性的暴力を働いたうえに、殺そうとしたというニュースがありました。

小学生以下の児童・幼児に対するこのような犯罪は、なかなか表に出ないこともありその深刻さは計り知れません。そこで韓国では 2008年9月から
電子足輪(GPSアンクレット)着用制度を導入しています。これは性犯罪を犯して服役した人に対して、出所後も足に位置追跡装置をつける制度です。

しかしそれでも小さい子供を対象にした性犯罪が減らないため
今度は薬物を用いた治療が導入されました。これは
子どもを狙った性犯罪を行ない再犯の可能性が高いと考えられる犯罪履歴者に対して、強制的にホルモンによる薬物治療を行う、いわゆる「化学的な去勢」のことです。去年の7月に導入され、今年5月はじめて45歳の男性に実際に適用されました。

この男性は3年間、3ヶ月おきにこの薬を注射されることになります。
そして今回政府はさらにこの「化学的な去勢」の適用範囲を拡大することにしました。
権在珍(クォン・ジェジン)法務部長官は

「最近相次いだ性暴行犯罪を防ぐための対策の一つとして、19歳未満を対象にした性犯罪者も薬品治療をする案を積極的に検討する」

と述べました。 法務部の関係者は

「薬品治療適用の対象者を16歳未満被害者対象性犯罪者に限定することに、合理的な根拠が足りないという判断に基づいたものだ」「すべての未成年者対象性犯罪者に対して、薬品治療に例外を設けず強力に処罰するという趣旨」

だとしています。さらにセヌリ党のパク・インスク議員ら国会議員19人は
「性暴行犯罪者の外科的治療に関する法律案」を国会に発議しました。これは

常習的性暴行犯罪者で更生やリハビリを期待できず再犯の危険が高いと認められる人に対して外科的治療、すなわち物理的去勢を実施する。

というもので
性衝動を起こす男性ホルモンであるテストステロンを生成する睾丸を除去することにより性障害者にしてしまおうということです。

話がここまでエスカレートして、とうとう中央日報はそのコラムで

児童や妊婦まで狙う凶悪な性犯罪が果てなく続く現実を考えれば彼らの心情を理解できないわけではない。「凶器」を永久に除去することが最も効果的と考えることができる。だが、物理的去勢は盗みをすれば手首を切り、嘘をつけば舌を抜こうという話と同じだ。前近代的身体刑の復活で、身体の自由を明示した憲法違反だ。

と訴えました。さすがに物理的な去勢は、昔の王宮の宮刑、死刑をまぬがれる代わりに生殖器を切る制度と同じで行きすぎだということです。
韓国人は過激です、マスコミも過激です。幼児に対する性犯罪が起こった時に
捕まった犯人を死刑にすべきだ、アメリカでは死刑にしているという報道が
連日テレビで流れました。そして自然と化学的去勢、そして物理的去勢というように話がどんどんエスカレートしています。

確かに許せない犯人です、そういう人はもう病気なのだと思います。ですから薬物治療することは必要でしょう。しかし、物理的去勢、そして死刑などという話をきくと、私は行きすぎではないかと思ってしまいます。それに世の中には冤罪という恐ろしいワナもありますから。

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