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対北放送(対北朝鮮宣伝放送)

2015-08-18

玄海灘に立つ虹

対北放送(対北朝鮮宣伝放送)
北韓が軍事境界線を越えて非武装地帯(DMZ)南側に埋設した地雷により、今月4日に韓国軍兵士2人が負傷した事件を受けて、韓国軍当局は当面の報復措置として、中断していた拡声器による対北放送を10日から11年ぶりに再開しました。
韓国国防部による対北放送はDMZに拡声器やFM放送によって北朝鮮に向けて流しているもので、1962年に始まりました。その後、72年の南北共同声明の発表に伴って一時中断されましたが、80年に放送再開。そして、2004年6月の将官級軍事会談において軍事境界線付近における宣伝活動を行わないことで合意したため、対北放送も廃止されました。10年には天安艦沈没事件を受け一時再開されましたが、その時は拡声器によるものではなくFM放送のみでした。
同放送で伝えられる内容は、ささいな生活情報から北韓最高人民会議の恥部を暴露する内容までさまざまです。2004年、北韓平安北道龍川郡で爆発事故があったとの情報が対北放送で流れるやいなや、近隣に服務していた兵士たちが一斉に実家に無事を確認する手紙を送ったと伝えられています。また、「午後からは雨の予報となっています。洗濯物を取り込んだ方がいいでしょう」と放送すると、すぐに北韓兵士たちが洗濯物を取り込む様子が確認されたとのエピソードも残っています。このように、原始的な方法でありながらも確実に北韓の兵士や住民に影響を与えており、韓国軍当局は対北放送の効果について、前方部隊の士気を下げるのはもちろん、体制を揺るがす脅威となっていると分析しています。また、電波による放送は受信機がなければ聴くことができないという点で限界がある反面、拡声器だと出力を最大にすれば夜間には約24㎞、昼間には10㎞の地点でも聞こえるという長所も強調しています。
北韓はこれまでも、拡声器による放送などの心理戦に対し、敏感な反応を見せてきました。金正恩第1書記も南北対話の条件として心理戦の中止を挙げているほどです。今回の放送再開に対し、北韓は、ただちに中止しなければ軍事行動に踏み切る旨の「公開警告状」を発表しました。また、現在、28日までの予定で韓米合同演習が行われており、北韓の動きが注視されています。

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