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「シルム」の南北共同ユネスコ無形文化遺産登録

#マル秘社会面 l 2018-11-28

玄海灘に立つ虹

© YONHAP News

ニュースでもお伝えしましたが、 韓国の相撲「シルム」がユネスコ無形文化遺産に南北共同で登録されました。これまでにも「朝鮮通信使」関連の記録が日本と韓国の自治体や民間団体が共同で申請し、ユネスコの記憶遺産に登録されたことがありました。今回の「シルム」の登録、南北共同登録までの舞台裏が東亜日報にのっていましたのでご紹介しましょう。

「シルム」の歴史を見てみますと、すでに5世紀の高句麗の古墳に短いパンツをはき、右の肩をあわせて相手の腰紐を握っているシルムの様子がでています。さらに 18世紀の金弘道の風俗画のように朝鮮時代、「シルム」は祭りの日などに楽しまれた庶民の娯楽でした。

「シルム」を南北共同でユネスコの無形文化遺産に申請しようという話が最初にでたのは2014年のことでした。しかし翌年の3月、北韓は単独でユネスコに申請してしまいます。2016年、ユネスコの無形文化遺産委員会は北韓の「シルム」について登録保留判定を下します。申請書に「政治的な用語」が多く、「エリート体育中心」に作成されたことがその理由だったといいます。そして以後、韓国は20163月に、北韓は20173月にそれぞれ別々に申請し、競争となりました。

事態が大きく動いたのが今年4月の板門店での南北首脳会談とその後の南北関係の好転です。最初に動いたのがユネスコのオードレ・アズレ事務局長です。対北制裁の負担無しに南北和解と世界平和に貢献できるとし、今年8月、アズレ事務局長は南北に共同登録を提案しました。

これに対し、韓国政府はすぐにオーケーのサインを出しましたが、北韓は最初は拒否したといいます。別々に申請しても十分に登録される可能性があるのにわざわざ一緒にする理由がないと判断したようです。

そのような状況が急転したのが先月16日のムン・ジェイン大統領のフランス訪問でした。フランスでアズレ事務局長に会った席でムン大統領は

「事務局長が主導されたシルムの南北共同登録というのはとても良いアイデアです。もう一度推進してください」

と伝えました。続いてユネスコ代表部の韓国大使が北韓大使と会いムン大統領の考えを伝えました。北韓は最初は「南北の経済協力事業に集中しよう」と言い、あまり積極的ではなかったようです。しかしアズレ事務局長が平壌に特使を派遣し説得すると同時に、南北共同登録は「世界平和のための良い方向」だという考えから例外的に急いで手続きを進めたということです。

その結果、26日に「シルム」の南北共同登録が決定しました。一方、ムン大統領はアズレ事務局長と会ったときに「DMZ(非武装地帯)の生物多様性」に触れ、この地域のユネスコ自然遺産への南北共同登録も勧めたいと話しました。この件に関し外交部の関係者は

「南北間で先に論議した後、関係部署との協議を通じてユネスコに申請することになるだろう」と話しています。「シルム」に続いて「DMZ(非武装地帯)」も平和と南北友好の象徴となれるのか、注目されます。

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