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文化

北韓脱出者の支援施設 ハナウォン

2004-07-29

北韓脱出者の支援施設 ハナウォン
北韓を脱出して東南アジアの国に滞在していた468人が、このほど 韓国入りしました。
これだけの人数が一時期に韓国入りしたのは初めてです。
一行は、脱出した理由など身辺調査を受けた後、北韓脱出者の支援施設である「ハナウォン」に入居 し、2カ月間の社会適応教育を受けることになります。
北韓脱出者の韓国での定着を支援している「ハナウォン」が設立5周年を迎えました。
韓国政府は1999年7月、北韓脱出者の韓国定着を支援するための施設「ハナウォン」を設立しました。
1999年60人、2000年297人、2001年572人、2002年1111人、2003年1175人、今年は6月まで760人が、ハナウォンをへて韓国社会に進出していきました。
ハナウォンには教育棟と生活棟などがあって、同時に400人が生活しながら適応教育を受けることができます。
北韓を脱出して韓国入りした人たちはこのハナウォンで8週間、社会適応教育を受けることになっています。
教育内容は、主に文化の違いを克服するための内容で、午前中 は韓国の政治・社会・経済・文化全般について北韓との違いを比較する講義を、午後は、区役所 に行ったり、警察署に行ったり、会社を訪問したり、デパートで買い物をしたり、実生活に必要な現場教育が行われています。
男性脱出者には運転教育が、女性脱出者にはファッションや料理の教育が人気があります。
ハナウォンには子どもたちのための学校もありますし、脱出者の健康を管理する病院もあります。
ハナウォンで適応教育を受けて社会に進出するものの、北韓脱出者が韓国社会に適応するのはさほど簡単なことではないようです。
配給制度がある社会主義国家で生活してきたことから、経済観念がなく、政府が支援した定着金 や生活補助金をすぐに使い果たしてしまい、生活に困ってしまう人もいるなど、資本主義社会におけるお金の価値を認識するまでにはだいぶ時間がかかるようです。
また、政府が斡旋した会社に就職しても、文化の違いを克服できず、長続きしない人が多いようです。
子どもたちの場合、北韓を脱出して韓国入 りするまで第3国に滞在する間は正規の教育を受けられず学力が低下し、また、韓国と北韓とでは教育内容も違うことから、韓国の学校に適応するまでにはだいぶ時間がかかっています。
北韓を脱出して韓国に来る人たちは年々増えています。
現在、韓国には北韓脱出者が5000人以上住んでいるとされていますが、今後とも大量入国が予想され、数年内 に1万人を超えるものと見られています。
韓国政府は、北韓脱出者が年々増えていることを受けて、より総合的な支援政策を検討していくことにしています。
これまでの支援策は少数の脱出者に対応するレベルのもので、大量の脱出者を受け入れる体制が整っていないのが現状です。
北韓脱出者の支援施設であるハナウォンも、脱出者の急増に伴い、ここのところ定員を超過している状況が続いています。
脱出者の数が増えている中で、支援施設の拡充、教育内容の充実、予算の確保など、
より多角的な対策が必要となっています。

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