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文化

「筏のアラリ」ほか

#国楽の世界へ l 2018-07-11

国楽の世界へ


普段は自分の状況に不満がないとしても、時々人生に疲れを感じることがあります。ぼろ儲けをして思うままにお金を使ってみたいと考えることもあるでしょう。ぼろ儲けをして多大なお金を手に入れることを、韓国では「テドンを稼ぐ」と表現します。お金を意味する「ドン」に「テ」をつけて、「テドン」というのです。この「テドン」という表現には面白い由来があるんです。今のソウル、昔の漢陽(ハンヤン)では、大きな家を建てるとき、立派な木材を遠くから仕入れました。江原道(カンウォンド)地方の深い山奥の、大きく頑丈な木材です。でも、立派な木材があるとしても、運ぶのは大変な仕事です。ところが、韓半島の中南部を流れソウルを横切る川、漢江(ハンガン)を利用すれば解決できます。木を伐木して筏を作り、漢江を利用して漢陽までたどり着くのです。このときの筏のことを、「テッモク」といいます。ぼろ儲けをするという意味の「テドン」という言葉は、ここから由来したそうです。筏の上で寝泊まりして漢陽に到着するまで、時には命の危険を感じることもありました。しかし、漢陽まで無事に到着すれば大金を手に入れることができたそうです。筏の上、時には怖いことも、寂しい気持ちになることもあったはずです。そんなときに歌った曲があります。今日の最初は、キム・サンウンさんの歌で、「筏のアラリ、テッモクアラリ」という曲をお楽しみください。

筏が通る漢江の川辺には、お酒が飲める場所が多かったそうです。船乗りは稼いだお金を、お酒やばくちなどで全てなくすこともありました。お聞きになった「テッモクアラリ」には、お店のオーナーとの対話や、お酒を飲みながら人生を嘆く内容などが登場します。当時の船乗りの生活が分かる曲です。今度は、木こりの歌をご紹介いたします。深い山の中の木こりは、ほとんどが作男でした。歌の歌詞をみると、年頃が過ぎても結婚できず、嘆く内容が多いのが分かります。だからなのか、この歌は一人で歌うものと言われ、他の人が聴くものではないとされたそうです。それでは、シン・イグンさんの歌で、荷物をのせる木製の器具、ヂゲを背負って歌う「ヂゲ・オサヨン」という曲をお楽しみください。

1980年から放送を始め今年で38年目になる、「全国のど自慢」というプログラムがあります。KBSで毎週日曜日に放送し、海外からも老若男女多くの方が楽しんでいらっしゃいます。このプログラムがこれだけ長い間親しまれてきたのをみると、昔から歌と踊りが好きな民族であったことが分かります。民謡に昔の暮らしが表れているのも、そのためです。今度は、全羅南道(チョンラナムド)地方のコムンドの漁師が歌った船歌をご紹介いたします。チョン・キョンヨンさん他みなさんの歌で、「コムンドの舟歌、거문도 뱃노래」という曲をお楽しみください。一人のときもみんなで一緒にいるときも、楽しいときも悲しいときも、山や川、どこにいても、そこにはいつも歌がありました。昔の人々の暮らしが想像できる民謡は、それ自体が韓国の歴史でもあります。

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