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文化

「平詩調(ピョンシジョ)、萬壽山(マンスサン)」ほか

#国楽の世界へ l 2018-07-18

国楽の世界へ


昨日は初伏、7月27日は中伏、8月16日は末伏です。初伏から、中伏、末伏までの期間を三伏といいます。昔の人々は、三伏の日になると田んぼの稲が歳を取るといいました。初伏、中伏、末伏に、稲には節ができます。三伏が過ぎて節が三つできてこそ、ようやく稲穂ができると考えたのです。一年の中で一番暑い時期、稲が育つ間、農村ではしばらくの間仕事を休むことができました。涼しい郊外に出かけ、体に良いものを食べたものです。そんなとき、お酒は欠かせません。そこに歌まであれば、それ以上の幸せもなかったでしょう。今日の最初は、イ・ジュンアさんの歌で、長寿を願う歌、「平詩調(ピョンシジョ)、萬壽山(マンスサン)」という曲をお楽しみください。


相手の長寿を願い、お酒を勧める歌を、「勧酒歌(クォンジュカ)」といいます。お酒と歌を楽しむ民族ならではの表現と言えます。しかし、勧酒歌がいつも楽しいものばかりではありませんでした。「パンソリ、春香(チュンヒャン)の歌」には、面白い勧酒歌が登場します。「春香の歌」は、身分の低い春香と高官になったイ・モンリョンのラブストーリーです。イ・モンリョンは、不正な官吏を探し出す任務を受けました。自分の身分がばれないような服装をし、宴会に行きます。人々がどんなお話をしているか探るためです。民は食べ物がなく苦しんでいるのに、官吏はご馳走を前にして楽しんでばかりいます。イ・モンリョンは機嫌がよくありません。イ・モンリョンは宴会の雰囲気を乱し、妓生に勧酒歌を歌わせます。妓生は仕方なく歌うものの、長寿を祈る内容ではなく、呪う内容の歌を歌います。でも、引き下がるイ・モンリョンではありません。このようなイ・モンリョンの活躍ぶりを歌った曲があります。オ・ジョンスクさんの歌で、「パンソリ、春香の歌の中から、王様の勅命を受けた高官が出頭する場面、판소리 춘향가 중 어사출도」という曲をお楽しみください。


朝鮮時代の文人、鄭澈(チョンチョル)先生は、お酒が好きだったことで知られます。お酒を飲んで会議に参加できず、非難を浴びることもありました。王様は、そんな先生にある命令をします。小さい銀の杯をひとつ渡し、今後は一日に一度、お酒は一杯にしておくようにという命令です。すると、先生は、その杯を伸ばし、容量を増やして飲んだとのことです。先生の作品には、お酒が好きな文人であっただけに、「将進酒辞(チャンジンジュサ)」という勧酒歌があります。「一杯飲みましょう、また、もう一杯飲みましょう」という内容で始まります。今日の最後は、この「将進酒(チャンジンジュ)」という曲を、チョ・スンジャさんの歌でお楽しみください。鄭澈先生の「将進酒辞」には、この世の最後の日を想像した内容があります。みんなが泣き悲しんでくれても、この世を去ると共にお酒を交わす人はいないということです。お酒が飲めない人でも、飲んでみたいと思わせる内容です。

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