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文化

麦刈りや脱穀に関する曲

#国楽の世界へ l 2017-06-07

国楽の世界へ

麦刈りや脱穀に関する曲
朝鮮の21代王、英祖(ヨンジョ)は、朝鮮時代、最も長生きをした王として知られます。在位期間だけでも52年、82歳まで長生きした王様です。また、60代になってから最初の王妃が亡くなると、66歳にして15歳の王妃を迎えました。51歳も年下の貞純(チョンスン)です。王妃を選ぶ際、英祖は候補たちに質問をしました。世の中で最も高い峠は何かという質問です。韓国語で峠は「コゲ」と発音するので、世の中で最も高い「コゲ」は何かと質問をしたわけです。そのとき、貞純は、春の端境期を意味する「ボリッコゲ」と答えました。実際の峠ではないものの、「ボリッコゲ」が、最も大変な高い峠だと答えたのです。麦の「ボリ」と峠の「コゲ」を組み合わせた「ボリッコゲ」という言葉を、最近はあまり聞かなくなった気がします。でも、昔は農民の暮らしと直結するものでした。食糧が底をつくと、農民らは植物の根っこなどを食べたといいます。当時は、栄養失調で命を失うことも多かったでしょう。「ボリッコゲ」が最も高い峠だと答えたのは、それだけ農民の暮らしをよく理解していたのだと思います。そのおかげで、貞純が王妃に選ばれたというお話があるんです。今日の最初の曲は、麦の脱穀をするときの曲、「オンヘヤ」という曲をお楽しみください。

慶尚道(キョンサンド)地域で、麦の脱穀をするときの曲、「オンヘヤ」という曲でした。最近は麦刈りから脱穀、袋に入れるまでの作業を全て機械が行います。でも、昔は、ひとつひとつの作業を全て人が行ったものです。脱穀をするときは、長い棒に木の枝を結び付けた、殻竿を使います。これで麦を打ち落とします。一日中脱穀をすると疲れますし、怪我をする恐れもあったと思います。そんなとき、「オンヘヤ」を歌って、仕事のテンポを合わせたものです。「オンヘヤ」は、もともとゆっくり歌う曲です。それが、専門の歌い手が歌うようになってから、テンポも速くなり、楽しい民謡になりました。最近は、若いミュージシャンが、モダンに編曲して演奏することも多くあります。今度は、済州島(ゼジュト)で麦を脱穀する曲をご紹介いたします。久々満腹になれる、という期待感が込められた歌です。「脱穀の音、タザクソリ」という曲を、キム・ジュオクさん他みなさんの歌でお楽しみください。

「脱穀の音、タザクソリ」という曲でした。麦は晩秋に芽が出て、春に収穫をします。麦が実る頃になると、子供たちは麦わらの茎を笛の形に削って吹いたり、麦を焼いて食べたりしました。詩人、ハン・ハウンさんの詩に、「麦の笛、ボリピリ」という作品があります。彼は、ハンセン病で苦しんだ方です。この詩は、子供の頃の故郷の思い出を懐かしむ内容になっています。今日の最後は、この趣きを表現した演奏をご紹介いたします。ビョルマルの演奏で、「麦の笛、ボリピリ」という曲をお楽しみください。

「麦の笛、ボリピリ」という曲でした。ハン・ハウンさんは様々な活動をしながらも、寂しい生活をしたといいます。「麦の笛、ボリピリ」という詩は、麦の笛で遊んだ、記憶の中の故郷を懐かしむ作品です。「ボリッコゲ」は大変でも、故郷の思い出は懐かしいものです。

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